女性の選挙における投票状況や傾向を理解し、ジェンダー主流化政策を促進するため、中央選挙委員会(中選会)は1998年から、有権者の性別投票状況の統計を行っている。2016年度は、世新大学(台湾北部台北市)の荘文忠教授による研究チームに「性別による有権者選挙投票結果の統計改善計画」を委託し、有権者の性別投票結果の統計プラグラムの改善策を探ってもらった。
昨年1月に実施された中華民国第14代正副総統選挙の投票率は66.27%、また同日実施された第9期立法委員(国会議員)選挙の投票率は66.30%だった。性別でみると、正副総統選挙にかかわらず、立法委員選挙の区域(選挙区)または不分区(比例代表)でも、女性の投票率が男性より2~3ポイント高かった。また、先住民族の女性は男性より7~8ポイント高かった。地域別では、台湾中南部・嘉義県と離島・金門島では男性の投票率が女性より高かったものの、その他の地域ではすべて女性の投票率が男性を上回った。
年代別にみると、20歳代の投票率は、女性が65.7%、男性が58.8%と女性の方が7ポイント高かった。また60歳以下の各年代では、女性の投票率はそれぞれ60%を超え、男性より3~5ポイント高かった。
70歳以上では、男性の投票率が女性より10ポイント近く上回った。75歳以上になると、男女とも投票率が急激に下がっている。そのうち女性の投票率の低下は男性よりも顕著だった。
同研究では中華民国第14代正副総統選挙および第9期立法委員選挙の有権者名簿からサンプルデータを集めた。有権者の性別、年齢、投票場所、出身地などから分析のためのデータファイルを作成した。230の市町村、約24万4,000人の有権者のサンプルが集められ、性別、年齢、地域などから統計・分析が進められた。
同研究では中華民国第14代正副総統選挙および第9期立法委員選挙の有権者名簿を使って有権者のデータバンクを作った。このデータは、台湾の選挙に関する研究資料として、かつてない規模の実証データとなっている。中選会は、政府のデータ公開政策に合わせ、研究対象となる有権者の個人情報の取扱い保護の前提の下、研究成果を中選会のウェブサイト上で公開し、当該情報が必要な人に提供する。