台湾の格付け会社である中華信用評等公司は18日、『2017台湾産業信用展望』を発表した。中華信用評等公司の親会社である米S&P グローバル・レーティングの予測によると、今後1年間、台湾経済は若干の回復傾向となり、実質GDP(国内総生産)成長率は2016年の0.9%を上回り、2017年は2%、2018年には2.5%となるという。
一方、シンガポールの経済成長率は1.7%、香港は1.3%と、いずれも2%を割り込むと予想。韓国の経済成長率は2.7%で、「アジア四小龍(台湾、シンガポール、香港、韓国の4か国・地域を指す、アジアNIES)」のトップとなる見込み。また、2018年の経済成長率はそれぞれ、香港2.0%、シンガポール2.0%、韓国2.9%と予想している。
中華信用評等公司で金融サービスの格付けを担当する藍于涵アナリストによると、台湾の経済成長率はこれまで2年連続で「アジア四小龍」の最下位だったが、今年と来年は米国経済が回復傾向にあることと、新興国家の経済活動が安定へ向かうと見られることから、台湾の経済成長にも好影響が及ぶと見ている。藍アナリストによると、この2つはいずれも台湾の輸出にとってプラス要因となるため。
このほか、企業格付け部門の許智清副総経理は、「新南向政策」および政府が金融サービス業の海外市場開拓を奨励するために打ち出している「亜洲盃(アジアカップという意味、アジア市場をターゲットにする市場開拓奨励策)」政策の推進は、台湾の展望に関する評価にプラスの影響をもたらしたのではないかと推測。しかし、これらの政策は長い時間をかけなければ具体的成果が得られないものだと指摘した。