2024/09/23

Taiwan Today

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台湾とカナダの国際カップル、不要になった靴をアフリカに

2017/04/12
アフリカの子どもたちを寄生虫による感染症から救うため、「旧鞋救命計画」を展開する台湾の楊右任さん(右)とカナダ出身の妻のカラさん(左から2人目)。台湾の周文欽監督(左)は2016年、この取り組みをテーマにドキュメンタリー映像「EX CHANGE」を制作した。(中央社)
アフリカの子どもたちを寄生虫による感染症から救うため、「旧鞋救命計画」を展開する台湾の楊右任さんとカナダ出身の妻のカラ(Kara)さん。台湾の周文欽監督が2016年、この取り組みをテーマにドキュメンタリー映像「EX CHANGE」を制作した。作品はその年、新北市(台湾北部)が主催するドキュメンタリー映像のコンテスト「新北市記録片奨」で公開審査の結果、経費助成の対象となる「優選」作品に選ばれた。経費助成を受けて完成した30分バージョンの作品が、近く公開されることになっている。
 
東アフリカに位置するケニアとウガンダの国境近くにある山地では、寄生虫による感染症がまん延している。現地の住民たちは、靴が不足している上、裸足で土を踏むことが多いため、ダニの一種であるスナノミに寄生されやすい。スナノミが寄生すると、足が壊死するだけでなく、ひどい場合は死に至ることもある。
 
「旧鞋救命計画」は、非政府組織(NGO)と民間の社会的企業、それにカナダに住む元牧師であるアレン(Allen)さんが協力し、東アフリカのケニア、ウガンダ、タンザニアなどに、不要になった靴やかばんを送るほか、現地に教室や学校を建設し、井戸を掘り、社会的企業を育てるという取り組み。「旧鞋救命(=不要になった靴で命を救う)」のほか、「愛・女孩(=愛・女の子)」、「行李箱計画(=スーツケース計画)」、「短宣関懐(=啓蒙活動)」、「貨櫃教室(=コンテナ教室)」、「養鶏計画」、「活水計画」などを展開している。海外のNGOと協力し、アフリカの奥地を訪れ、貧困家庭の子どもたちに対して実際の行動で愛を伝えている。
 
楊右任さんと妻のカラさんは、台湾の教会で出会い結婚した。長女が生まれたとき、アフリカで宣教師をしているカラさんの父親アレンさんが台湾にやってきた。楊さんたちはそのとき、アフリカのケニアに住む人々が、スナノミの寄生による感染症に悩まされていることを知った。楊さんはブログに、不要になった靴の寄付を募る文章を掲載した。この文章は大勢のネットユーザーによってシェアされた。楊さんらは公益団体「旧鞋救命協会」を設立。2014年から3年間かけて、不要になった靴の寄付を募った。楊さんの父親はかつて製靴工場を運営しており、在庫に残っていた靴もアフリカに送ることにした。集まった靴はコンテナに積み込まれ、アフリカのケニア、ウガンダ、南スーダンなどに届けられた。楊さんとカラさん、そして幼い長女も一緒にアフリカを訪れた。
 
楊さんたちの取り組みをまとめたドキュメンタリー映像「EX CHANGE」(周文欽監督)は、2016年「新北市記録片奨」で「優選」作品に選ばれた。新北市は今年も「新北市記録片奨」を実施する。今年は24作品の応募があり、12日と13日の両日、新北市内で「公開審査上映会」を開催して「優選」作品を決めることになっている。
 

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