2024/12/05

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経済

自転車シェアリング「oBike」、各自治体の反応は?

2017/07/14
台湾各地の自治体が、シンガポール発の自転車シェアリングサービス「oBike(オーバイク)」の対応に頭を抱えている。写真は台湾北部・新北市の公共駐輪場。「oBike」が駐輪場を占拠し、オートバイが駐輪できなくなっている。(新北市提供、中央社)
台湾各地の自治体が、シンガポール発の自転車シェアリングサービス「oBike(オーバイク)」の対応に頭を抱えている。「oBike」は固定の貸出しステーションを持たず、どこでも乗り捨て可能なのが特徴。専用のアプリで最寄りの自転車を探し出し、アプリを通して開錠・施錠を行うことができる。しかし、駐輪場以外での迷惑駐輪が目立ったり、オートバイの駐輪スペースを圧迫したりする存在になっており、各自治体が対応に追われている。
 
台湾北部・新北市交通局はこのほど、「oBike」の運営会社が十分な対策を講じずに大量の「oBike」を市内に配置し、オートバイの駐輪スペースを圧迫しているとして、「停車場法」第13条に基づき、県内17の行政区で公共駐輪場における「oBike」の駐輪を禁止する公告を出すと共に、すでに「oBike」1,000台余りを撤去している。また、「道路交通管理処罰条例」第74条に基づき、違反者には「300台湾元(約1,110日本円)以上600台湾元(約2,220日本円)以下の罰金」を科すとしている。
 
新北市交通局によると、今回公告の対象となっている公共駐輪場は、いずれも新北市が合法的に設置した「路上駐輪場」であり、一般市民がオートバイや自転車を駐輪できるように設けたもの。レンタルバイクである「oBike」がこれらの駐輪場を利用することは、次の借り手を待つ「営業行為」と見なすことができる。しかも、長時間にわたって駐輪場を占拠することになれば、一般市民が駐輪できなくなり、市の駐輪秩序に悪影響を及ぼすことにもなる。
 
新北市のオートバイ台数は、台湾でも1、2位を争う多さであり、既存の駐輪場ではニーズに対応できない状況となっている。こうした事情を背景に、新北市では営利目的のレンタルバイクが、公共駐輪場を占用することを法律で禁じることを決定した。しかし一方で、「oBike」は新しいビジネスモデルであり、且つ環境に優しい交通手段として歓迎すべきであるとも考えており、関連の自治条例を早急に作成し、9月に議会で審議し、早ければ年内に成立させたいとしている。
 
台湾の自治体で2番目に「oBike」の試験運用を開始した台湾東部・花蓮県でも、すでに3,000台近い「oBike」が配置され、やはり迷惑駐輪が大きな問題となっている。花蓮県警察局交通隊は6月以降、「oBike」の迷惑駐輪に関して、すでに20枚近くの「違反切符」を切ったとしている。台東県では現在、自治条例の改正を進めている。県議会で可決されれば、自転車や電動カートなどの違法駐輪も撤去の対象となり、半年間、業者や所有者が現れなかった場合、競売に掛けられることになるという。
 
一方、台湾北東部の宜蘭県は、すでに公共駐輪場の3分の1のスペースを「oBike」用としている。もしそれでもスペースが足りない場合は、「oBike」専用の駐輪場を設置することも検討しているという。但し、それ例外の迷惑駐輪に関しては、一律撤去するとしている。
 
「oBike」の取り締まりに強い態度を見せる新北市に対し、台湾北部・台北市は柔軟な対応を見せている。台北市は、「oBike」も公共駐輪場を利用することは可能だとの立場を取りつつも、1つの駐輪場における「oBike」の台数は10台以下になるよう業者に協力を求めている。また、「oBike」の業者に対して、台北市内で普及している自転車シェアリングサービス「Ubike」の貸出しステーションが少ないエリアに「oBike」を配置するよう求めている。
 
同市の柯文哲市長は11日、「シェアリングエコノミーは世界の潮流であり、その流れを食い止めることはできない。管理することはできても、禁止することは不可能だ」とした上で、公共駐輪場に駐輪していれば罰則の対象にはならないとの見方を示した。但し、台北市はすでに、自転車の駐輪を禁止する公共駐輪場13か所を公告しており、駐輪禁止エリアに駐輪している「oBike」については撤去するとしている。
 
台北市ではまた、約20条から成る「自転車シェアリングサービス自治条例」の作成にも取り組んでおり、議会で可決されれば、2018年以降、有料シェアリング自転車の法的規範とすることができる。
 
「oBike」は6月21日から台湾南部・高雄市でもサービスの提供を開始している。「C-Bike」の名称で独自の自転車シェアリングサービスを展開している高雄市交通局は、迷惑駐輪の「oBike」への取り締まりに前向きな姿勢を見せている。同じく独自の自転車シェアリングサービス「iBike」を展開している台湾中部・台中市は、まだ「oBike」のサービスが始まっていないものの、同市交通局の王義川局長は「迷惑駐輪の『oBike』は1台残らず撤去する」と強気の態度を見せている。

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