2024/09/17

Taiwan Today

経済

小麦の新品種開発で薄力粉も国産化へ

2017/07/19
小麦粉の需要が増加する中、国産小麦の生産も強化している。今年開発された新品種「台中35号」は薄力粉の生産に適している。早ければ今年11月にも作付けを開始する。(台中区農業改場提供、中央社)
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)台中区農業改良場の林学詩場長によると、台湾では住民の飲食習慣の変化に伴い、小麦粉の需要が増加している。近年、小麦粉の輸入量は年間120万~130万トンに達する。一方で政府は、国産小麦の生産にも力を入れている。
 
台湾中部・台中市を拠点とする台中区農業改良場は1984年、強力粉と中力粉の生産に適した小麦の新品種「台中選2号」を開発した。強力粉や中力粉は、パンやうどんなどに使われるもの。
 
これに続いて2010年以降、海外から1,000種類以上の小麦の品種を導入し、そのうち187種を選出。さらに台湾の自然条件に適した品種を厳選し、7年の歳月を費やして新品種の開発に取り組んだ。その結果、台湾では33年ぶりとなる小麦の新品種が誕生した。新品種「台中35号」は、状態が安定していることから、早ければ今秋にも作付けが可能な状態だ。新品種はケーキ作りなどに使う薄力粉の生産に適している。
 
台湾で小麦を栽培するには、湿度がやや高くても栽培可能で、病気や害虫に強い品種でなくてはならない。台湾における播種の適期は11月だが、それでも小麦の原産地に比べると気温が摂氏2~3度高い。新品種はこれらの条件をクリアする特性を兼ね備えている必要がある。
 
台湾で現在栽培されている小麦の品種「台中選2号」の作付面積は643ヘクタールに達している。最大の産地は台湾中部・彰化県大城郷。新たに開発された新品種「台中35号」は、従来の「台中選2号」に比べて「コストパフォーマンス」がやや高いのが特徴。現在、1分(293.4坪)の農地で栽培した小麦から、種子300キログラムを収穫している。もし今年11月に播種が可能になった場合、翌年3月には初収穫を迎えることができる。その場合、1ヘクタール当たりの収穫量は4,300キログラムに達する見込み。これは従来の「台中選2号」に比べて17%増量となる。
 
政府は、「台中選2号」か「台中35号」に関わらず、補助金の提供を通して、国産小麦の生産を奨励する方針で、これを輸入小麦の代替作物としたいと考えている。
 

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