台湾北部を中心に普及が進む公共自転車シェアリングサービス「微笑単車(YouBikeあるいはU-bike)」が、23日から25日までインド南部バンガロール市で開催されていた見本市「Smart City 2017」に出展した。インドのディベロッパーなどが、大型のコミュニティや工業団地などで「YouBike」サービスを展開することも検討可能だとして関心を示した。「Smart City 2017」は、2022年までにスマートシティー(次世代環境都市)を100ヶ所構築するというインド政府の政策「スマートシティーミッション」に呼応するため、台湾の貿易振興機関である中華民国対外貿易発展協会(日本での名称は台湾貿易センター、略称TAITRA)がインド・バンガロール市で開催したもの。
インドでは、各都市で交通の混乱が見られるうえ、歩道と車道の分離もないため、スピードを出した車や遅い車、自転車、牛車やウシなどが道路を共有しているのが現状。決して自転車の利用に良い環境とは言えない。こうした中、「YouBike」サービスを委託運営する微笑単車公司はこのほど、インド・バンガロール市で開催された「Smart City 2017」に「YouBike」の自転車を展示し、台湾で普及が進む公共自転車シェアリングサービスシステムを紹介した。
微笑単車公司の関係者によると、台湾でこの自転車シェアリングサービスは一種の公共交通機関という概念が定着している。しかし、インドでこうした概念はまだ黎明期にある。このため、インド政府がまず自転車シェアリングサービスを公共交通機関の一つに位置付けることが最も重要であり、そうすればこのシステムを展開しやすくなるだろうと指摘する。
「Smart City 2017」に足を運んだインドのディベロッパーはこのシステムについて、特に大型のコミュニティや工業団地を開発する際、「YouBike」がコミュニティや工業団地内における交通手段となれば非常に便利だとして、非常に高い関心を示した。
但し、インドの運営環境には不確定要素も大きいため、微笑単車公司では現在のところ、自転車シェアリングサービスというソリューションを提供するにとどまり、運営についてはインドの業者が行うというスタイルを検討しているという。