2024/04/29

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経済

スマホ用保護フィルム、北京ダックからヒント=犀牛盾(Rhino Shield)

2018/02/21
スマートフォン用の保護ケース・フィルムなどを手掛けるブランド、犀牛盾(Rhino Shield、ライノシールド)の共同創業者、王靖夫氏(写真)は、今後も製品開発に注力し、「BPAフリー」などの強い信念を持って進むとしている。(中央社)

スマートフォン用の保護ケース・フィルムなどを手掛けるブランド、犀牛盾(Rhino Shield、ライノシールド)の共同創業者、王靖夫(Eric Wang)氏がこのほどメディアの取材を受けた。王氏は製品開発のきっかけについて、「2012年に英国で材料学に関する博士課程で学んでいたとき、実験に必要なプラスチック材料がなかなか手に入らなかったため、自分自身で配合した。その結果、驚くほどの振動吸収能力を持った素材が出来上がった。それを繰り返しテストしてから、軍事機関に紹介したところ、自動車用のスクリーンに採用されることになった」と説明した。

 

1984年生まれの王靖夫氏はまた、製品開発当時、王氏がプラスチック保護フィルムの落下衝撃試験の模様を記録した映像を弟に見せたことについて語った。映像を見た王氏の弟は「信じられない」とびっくり仰天しながらも、すぐ仕事をやめて手伝いに来たと振り返った。

 

王靖夫氏によると、強度の高い保護フィルムを研究・開発する過程で、材料の配合がとても難しいことに気が付いたという。相反する特性を持つ素材の組み合わせや、防汚性、防滑性に優れ、落下による破壊を抑え、さらにコンパクトサイズである必要がある上、疎油性と疎水性がともに強く(油も水もはじく)するためには、ちょうどバランスの取れる状態を見つけるしかなかった。

 

王靖夫氏は、開発した製品を北京ダックにたとえ、「北京ダックは、表面の皮は薄くぱりぱりで、中の肉には肉汁がたっぷりつまっていなければならない。このように北京ダックは、表面のぱりぱりの食感を出すために高い温度であぶり、肉汁をたくさん残すためにとろ火でゆっくり焼く必要があるという相反する調理方法を実現しなければならない。高温で焼くことで、肉汁が乾いてなくならないようにするためには、まずダックに空気を入れてそれを膨らませて皮と肉をはがすしかない、これが北京ダック調理方法の均衡点を見つけるということだ」と述べた。

 

2013年に開発した製品の実験フィルムをインターネット上に公開した王靖夫氏は、にわかには信じ難かったネットのユーザーから、「偽の映像だ」と掲示板でひどく叩かれた。その後、王氏は再びノーカットの実験映像の撮影を敢行、本人自らがやって見せた。それを見た台湾のネットユーザーが、台湾の情報ポータルサイト「Mobile01」にそれをシェアし、この製品に嘘がないことを証明するため働きかけた。

 

犀牛盾ブランドはまず、英語圏の国で販売を開始、2014年に台湾でも販売されるようになった。王靖夫氏は、経営はマーケティング重視ではなく、製品がより良くなるよう、問題が解決するようにということに注力してきたとしている。

 

「スタートした当初は、会社のコアバリューは材料だと思っていたが、ここ数年でコアバリューは形のある固定されたものではなく、常に進化していることに気が付いた」と語る王靖夫氏は、今後も製品の開発に重点を置くとしている。2017年は、同社の新製品が他社製品に比べて傷がつきやすいなど、一部の消費者からクレームがあったなど多くの困難にもぶつかった。これについて王氏は、犀牛盾ブランドの製品が、人体への悪影響が懸念される化学物質BPAを含まない「BPAフリー」であるためと説明し、自分が正しいと思う信念をもって進んでいく強調した。

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