米国連邦議会下院外交委員会のエド・ロイス(Ed Royce)委員長及び民主党のエリオット・エンゲル(Eliot Engel)議員は米国東部時間5月16日に声明を発表、2人が発起したことでWHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長宛てに送られた書簡を公表した。この書簡はWHOに対し、台湾を今年の第71回WHO総会(WHA)に招いて参加させるべきだと強く呼びかけるものであり、署名した下院議員は172名に上る。
一方、同上院外交委員会のベテラン議員、マルコ・ルビオ(Marco Rubio)氏、並びに複数の大物上院議員も近日中にWHOの事務局長に対して連名で書簡を送り、台湾の参加を支持する立場を伝えることにしている。
中華民国(台湾)の外交部(日本の外務省に相当)は17日、プレスリリースを出してこれに感謝した。このプレスリリースで外交部は、これらの行動は米国の上下院が党派を超えて共に台湾のWHO総会参加を支持する決意を示しているのみならず、下院による連名の書簡は米国議会が台湾のため、WHOの事務局長に直接送った初めてのものだと指摘、さらにこの書簡には下院全体の4割に上る議員が署名していると強調した。外交部は、台湾のWHO参与問題をめぐって米国議会は長期的、かつ力を尽くして台湾を支持していると評価、今年もその姿勢が変わらないことに深い感謝の意を表した。
外交部によると、台湾のWHO参与問題に対する米国の関心と支持は途切れたことが無い。国会議員たちによる連名の書簡の他、米国政府も、台湾が今年のWHO総会に参加するのを強く支持する立場を公の場で重ねて表明してきた。例えば、米国務省で東アジア・太平洋を担当するアレックス・ウォン次官補代理が今月15日に開かれた米上院公聴会で行った証言。ウォン次官補代理は、米国政府は台湾がWHOをはじめとする国際組織に参与することを断固支持するとの立場を明確に表明した。外交部は、この発言は米国側の立場と期待を国際社会に直接伝えたのであり、米国は先頭に立って台湾を支持し、同じ立場をとる各国の声をまとめようとする積極的な役割を果たしたのだと歓迎した。
今年のWHO総会参与を目指す上で台湾は厳しい状況にある。外交部はしかし、米国の変わらぬ支持に感謝。外交部は特に、米国が理念の近い国々に対して台湾のための発言を積極的に働き掛けていることを指摘、米国政府、米国議会、そして米国の人々が台湾のWHO参与を支持し、それに協力してくれていることに感謝した。外交部はそして、より多くの国々が台湾と共に努力し、全人類の健康を共に守っていくことを心から歓迎すると呼び掛けた。