2024/06/24

Taiwan Today

経済

台湾ネットワーク・Eコマース発展協会理事長、「台湾はアジアの『ワカンダ』」

2018/07/24
「第1回デジタルイノベーションフォーラム」で、台湾ネットワーク及びeコマース産業発展協会の林之晨理事長(写真)が台湾の先進的なデジタル経済を映画『ブラックパンサー』の「ワカンダ」に例えた。(中央社)
世界的なデジタル化の趨勢に着目し、APEC(アジア太平洋経済協力)ビジネス諮問委員会(ABAC)は昨年、「デジタル・イノベーション作業部会(Digital Innovation Working Group, DIWG)」の設置を決定。これを受けて今年設けられたDIWGは19日と20日に、「第1回デジタルイノベーションフォーラム(Digital Innovation Forum 2018)」を台湾北部・台北市内で開催した。APECのメンバーである21の経済体の関係者500人以上が参加した。
 
台湾ネットワーク及びeコマース産業発展協会(Taiwan Internet and E-Commerce Association)の林之晨理事長は20日、「小よく大を制す 小国経済のイノベーションと野望」と題して行った講演の中で、「台湾はアジアの『ワカンダ』だ」と述べた。「ワカンダ」とは米マーベルコミックの映画、『ブラックパンサー』に登場する架空の国家で、アフリカに位置する王国という設定。数百年にわたって、「ヴィブラニウム」(架空の貴金属)を採掘してきたことで、世界最先端の技術を有している。そして「ヴィブラニウム」の秘密を守るため、「ワカンダ」は誰にも知られず、第三世界に身を潜めている。
 
林之晨理事長は、「ワカンダ」は外から見れば第三世界に過ぎないが、最先端の科学技術を隠し持っているとした上で、台湾は建物や空港ターミナルが古く、人々は今も現金決済を行うなど、外から見れば時間が止まったように感じるかもしれないが、実は先進的なデジタル経済とサービスを持っていると強調した。林理事長はさらに、「ワカンダ」は各国による干渉を避けているが、台湾は世界からの隔絶を望んでいるわけではなく、ただ台湾の人たちがもともと謙虚であることからその力を世界にアピールしていないだけだと分析した。
 
林理事長はまた、「ワカンダ」の「ヴィブラニウム」に対して、台湾にとって最も貴重な資産は「人材」だと指摘し、台湾がアップル、グーグル、マイクロソフト、NVIDIAなどの国際的な大企業にソフト面で様々なソリューションを提供していること、並びにこうした多くの企業が台湾に研究開発拠点を設けていることを説明した。
 
林理事長によると、台湾における電子商取引(eコマース)の消費額はすでに実体のある市場の消費額の15%に相当する。この割合は中国大陸の12%、米国の8%を超えている。また、台湾における電子商取引市場の経済規模は世界9位で、インドや東南アジア市場をも上回るという。さらに台湾は、スマートフォンの普及率で世界最高であるほか、その使用時間も世界一。また、グーグルプレイの店舗収入で世界上位5位に入るほか、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及率もかなり高く、LINEやフェイスブックの使用率も世界トップだとのこと。
 
 

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