人文科学および社会科学分野におけるイギリスの国立アカデミーであるイギリス学士院(British Academy)は20日、今年度のフェローを発表した。英ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院(SOAS)の欧陽文津(Wen-Chin Ouyang)教授が、台湾出身者として初めてフェローに選ばれた。欧陽教授の専門はアラビア文学など。
イギリス学士院は1902年に設立されたイギリスの国立アカデミー。人文科学や社会科学分野の研究を支援し、毎年この分野から優れた研究者を選出してフェローの資格を与え、その研究成果を評価している。
イギリス学士院は今年、イギリスの各大学から研究者52名と、米国、オーストラリア、オランダ、ドイツ、ハンガリー、イタリア、フランスなどの大学から研究者20名の、合計72名をフェローとして認定した。これはイギリス学士院が設立されて以来、116年間で最多となる。新たに選ばれたフェローを加えると、イギリス学士院のフェローは総勢1,400名余りとなった。
SOASが発表したニュースリリースによると、同学院からは今回、欧陽文津教授のほか、芸術史のTimon Screech教授も2018/2019年度のイギリス学士院フェロー(FBA)に選ばれた。
SOASによると、欧陽文津教授の専門はアラビア文学、比較文学、世界文学、シルクロード研究など。代表的な著書には『Literary Criticism in Medieval Arabic-Islamic Culture: The Making of a Tradition』(1997年)、『Poetics of Love in the Arabic Novel』(2012年)、Politics of Nostalgia in the Arabic Novel(2013年)などがある。学術誌『Middle Eastern Literatures』の編集長であり、SOAS編集委員会のメンバーの一員でもある。
欧陽文津教授はイギリス学士院のフェローに選ばれたことを受け、「非常に興奮している。今後、イギリス学士院とより緊密な協力ができれば」と期待を寄せている。