蔡英文総統は12日から20日まで外遊中で、中華民国(台湾)と正式な外交関係を持つパラグアイとベリーズを訪問する。それに伴い、往路には米国のロサンゼルス、帰路にはヒューストンでトランジット(乗り継ぎ)を行う。トランジットのためロサンゼルスに滞在している蔡総統は現地時間の13日午前、ロナルド・レーガン記念図書館を参観した。
中華民国(台湾)と米国は1979年1月に外交関係を解消、その後1981年にレーガン氏は大統領に就任した。当時、台湾は断交に踏み切った米国の民主党政権に対する反感に満ちていたため、レーガン政権には大いに好感を持った。レーガン大統領(当時)は大統領選挙中に表明した中華民国との国交回復という約束こそ果たさなかったものの、大統領の任期を通して台湾に友好的で、台湾を積極的に支持する立場を示し続けた。様々なプレッシャーの中で、「八一七公報」(1982年8月17日に米国と中国大陸が調印した声明。米国の台湾に対する武器供与問題の解決に関するもの)にサインする一方、台湾に対する「6つの保証」を打ち出して台湾に武器を供与し、台湾の前途は平和的に決定されるという環境を確保した。
2014年、馬英九総統(当時)はトランジットのためロサンゼルスに滞在した際、たっての願いでロナルド・レーガン記念図書館を訪問、レーガン氏が長期にわたって台湾をサポートしたことに感謝した。また、2001年には総統を退任した李登輝氏、2003年には呂秀蓮副総統(当時)、2014年には江宜樺行政院長(首相=当時)が同図書館を訪れている。
蔡英文総統は13日(現地時間)、同図書館が収蔵するベルリンの壁の前で、報道陣に向けて初めて談話を発表。蔡総統は談話の中で、レーガン氏は生涯を通じて自由民主の価値を堅持し、民主の波によるベルリンの壁崩壊や冷戦の終結を実現させたとしてその功績に敬意を表した。
さらに蔡総統は、レーガン氏が在任中に表明した台湾に対する「6つの保証」は今なお米国の対台湾政策の重要な基礎で、台米関係を決定する非常に重要な約束であるとの見方を示し、過去数十年にわたる台米関係の安定した発展にレーガン氏が果たした貢献は決して忘れられてはならないと強調した。
蔡総統はそしてレーガン氏の、「どんなことでも話し合える。我々の自由と我々の未来については妥協できないことを除いては」という言葉を引用、「これは台湾の人たちの今の心境だと信じている」と述べた。