2024/09/22

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文化・社会

媽祖さまとマリアさま、東西の聖母が熱気球に「相乗り」へ

2018/10/18
カトリック教会の萬金聖母聖殿と道教の宗天宮は「東西聖母の出会い」活動でマリア像と媽祖像を熱気球に「相乗り」させ、東西の宗教が共に愛の拡散に努めることをアピールする。写真は17日に行われた記者会見。ステージ後方のパネルにはマリア像(左)と媽祖像(右)の写真が見える。(中央社)
台湾最古のカトリック教会である屏東県(台湾南部)萬巒郷の萬金聖母聖殿と新たに建てられた道教の廟宇、宗天宮が共同で「東西聖母の出会い」イベントを実施する。20日に行われるイベントでは、マリア像と媽祖像が熱気球のゴンドラに「相乗り」して空に上り、東西の宗教が世の中に愛を拡散するため力を合わせることをアピールする。
 
20日の午後3時、「西洋の聖母」であるマリア像は萬金聖母聖殿を、「東洋の聖母」である媽祖像は宗天宮を出発して信徒たちと共に街頭パレードを行う。二つの行列は午後4時半に萬巒郷緑核心公園で合流、マリア像と媽祖像はその後、1つの熱気球のゴンドラに乗せられて空に上るという。
 
萬金聖母聖殿はすでに150年あまりの歴史を有し、教会は屏東県の指定する古跡(文化財)となっている。毎年12月にはクリスマスの到来に合わせ、マリア像を乗せた神輿を信者たちがかついで街を練り歩く活動を行う他、キリスト降誕の装飾でクリスマスを祝っている。
 
一方、宗天宮は樹徳科技大学(台湾南部・高雄市)自由教育(liberal education)学部の王崇礼助理教授(Assistant Professor)が創設、同学部の曽宗徳学部長らと共に創建したもので、祀られる主な神は道教の「天上聖母媽祖」。1年前に萬巒郷硫磺村に廟宇が建てられ、主体となる廟(本堂)は今年年末に完成する。
 
王崇礼氏は3年前から東西の宗教の相互理解を目指して、「東西聖母の出会い」イベント実現に奔走してきた。媽祖とマリアは名前と時代、背景と環境がいずれも異なるがどちらも「母性と堅忍」、「慈悲と愛」に満ちているとする王氏は、「出会い」イベント並びに東西の宗教が1つになることで生まれる美しさを通じて、人間の善良な一面をアピールすると共に人心を浄化したいと話している。
 
昨年、萬金聖母聖殿に加わった李漢民神父は、50年あまり前に行われた第2バチカン公会議ではカトリック教徒が他の宗教及び神学と交流することが奨励されたと説明、道教の媽祖が説くのも「慈悲と愛」であり、今回のイベントではそのことをカトリック教徒にも伝えられると期待した。
 
 

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