一部の職業では絶縁手袋をして作業しなければならないが、そうするとタッチパネルやタブレット端末が操作できない問題がある。群創光電株式会社(Innolux Corporation:イノラックス)ではしかし、DTS技術(Deep Sensing Technology)を用い、特殊な電極設計で複数の指による多段階の操作、並びに5段階の加圧式操作を再現することでこの問題に対するソリューションを提案した。
同社は今回、この「6.17"深度感応技術-可延伸触覚之新式三維触控顕示装置(6.17インチのディープ・センシング・テクノロジー/触覚を拡張する新型3Dタッチパネル)」によって、第27回「台湾エクセレンス(Taiwan Excellence Award)金賞」を受賞した。「台湾エクセレンス」は経済部(日本の経産省に相当)が毎年、研究開発、デザイン、品質、マーケティングの4大分野でイノベイティブな価値を持つ台湾製品に授与している賞。
表示装置やスマートフォンに応用されたことで、タッチパネルが人と機械を結ぶ主なインターフェースとなってすでに10年あまりが経つ。スマートフォンに使われるタッチパネルは毎年16億枚、その他の製品で使用されるものも毎年3億枚に達する。群創光電のDST技術はそのインターフェースに革命をもたらすもので、唯一水中並びに様々な絶縁体に対応する静電容量式タッチパネルに適した最高レベルの技術だという。
ハイエンドの携帯電話や防水カメラの防水機能は強いが水中ではタッチセンサーの問題で同時に作業が出来ない。しかし、群創光電では、同社のDST技術なら深い水中からの情報伝達も可能で、これは現時点で業界初の技術だとしている。
将来的にはDST技術と、曲面形状に応じる液晶技術とを組み合わせ、コンシューマー・エレクトロニクス製品、自動車、航空宇宙産業、IT技術と特殊な応用など多様な市場での製品開発につなげていく計画だという。