国家図書館(台湾北部・台北市)は16日、イタリア・ヴェネツィアにあるヴェネツィア大学と協力協定に調印し、ヨーロッパ南部では初めてとなる「台湾漢学リソースセンター(Taiwan Resource Center for Chinese Studies、TRCCS)」を開設することで一致した。
国家図書館は2012年より、米国やロシアの著名な大学との協力を皮切りに、海外の主要大学や研究機関に「台湾漢学リソースセンター」を設置。さまざまな学術資源を提供し、台湾の研究者の研究成果を海外に向けて発信してきた。今年10月末にはタイのチュラーロンコーン大学に世界28か所目、東南アジアではベトナム、マレーシアに続く3か所目となる「台湾漢学リソースセンター」を設置したばかり。
ヴェネツィア大学は1868年創立。その図書館には書籍約100万冊と、学術誌4,400種類が配架され、イタリアでも重要な学術機関とされている。同大学のアジア・北アフリカ学科は、アジアの文化遺産に関する研究を受け継ぎ、アフリカから日本に至るまでの幅広い地域の言語、文学、宗教、哲学、考古学、文化遺産の保護、芸術、社会、国際関係などを研究対象としている。
国家図書館はヴェネツィア大学に対し、222種、239冊の漢学研究及び台湾研究に関する書籍を提供する。提供する書籍は今後年々増やしていく。また、台湾のデジタルアーカイブや電子データベースなど豊富なデジタル資源を提供し、同大学の教員や学生が研究に役立てられるようにする。