衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)疾病管制署(Centers for Disease Control、略称CDC)がフェイスブックページ「1922防疫達人」に投稿した感染症を擬人化したイラストが好評だ。すでに第三弾まで出ており、フェイスブックのフォロワーは最初の掲載からわずか1か月で2万人も増えた。
衛生福利部疾病管制署は11月中旬、フェイスブックページに『DISEASE(=疾病)』と題する架空の雑誌の表紙イラストを掲載した。創刊号の表紙を飾ったのは、鳥のくちばしのマスクを着けて何やら邪気を放つ、長身でクールな男性。その肩には鳥の形をした黒い影がとまっている。「インフルエンザA型ウイルス(=鳥インフルエンザ)」を擬人化した男性だ。このイラストがネットユーザーたちの興味をかきたてた。フェイスブックには、もっと多くの疾病を擬人化したイラストを出して欲しいとのコメントが相次いだ。
第二弾として発表されたのは「インフルエンザ」を擬人化したもので、ヒップホップスタイルのちょっとやんちゃな若い男性だ。続いてこのほど発表されたのが、背中が大きく開いたドレスを身にまとった大人の女性で、「デング熱」を擬人化したもの。疾病管制署のフェイスブックページ担当者の積極的な宣伝もあり、1か月足らずでフォロワーは2万人以上も増えて10万人を突破した。
これらのイラストの外形やキャラクター設定は、いずれもプロのイラストレーターと疾病管制署の専門チームが共同で考えたものだ。感染症の特徴から構想を練ったほか、インターネットの流行語を活用して感染症予防の知識を伝え、感染症に関するデマを否定する効果も発揮した。
例えば「創刊号」に起用された「インフルエンザA型ウイルス(=鳥インフルエンザ)」を擬人化した男性。その表紙には「打疾大力、今晩吃鶏」、「冬季潮流、大隻鶏晩啼」などの文字が並び、「インフルエンザA型ウイルス」と鳥類との関連性を訴えている。そのうち「今晩吃鶏(今夜はチキンディナーだ)」のフレーズは、ゲーム愛好家に知られるインターネット用語「Winner!Winner!Chicken dinner!(勝った、勝った。今夜はチキンディナーだ!)」に由来しており、感染症に打ち勝つという意味が込められている。
「インフルエンザ」を擬人化した若い男性は、インフルエンザワクチンをイメージさせる注射器のイラストが描かれたシャツを着ている。表紙には「流感鄭重声明(=インフルエンザに関する重大声明)」という見出しで、「流感是流感、感冒是感冒。感冒譲你CRY、我会譲你DIE(=インフルエンザはインフルエンザ。風邪は風邪。風邪は君を泣かせ、僕は君を死なせる)」などとパンチの利いたメッセージが書かれている。
最近発表された「デング熱」を擬人化した美魔女は、背中に小さな羽を着け、手には毒を持った紫色のマンダラゲ(曼陀羅華)を持っている。これは、デング熱が致命的な感染症であり、軽視できないことを意味している。
疾病管制署の荘人祥副署長は、「これまで実施してきた感染症に関する啓蒙活動は、テーマが硬いということもあり、あまり効果を発揮することができなかった。疾病を擬人化するという企画は、より活発な手法により若い人の関心を引きたいと考えたものだ。若い人たちに感染症や防疫に関する取り組みを知ってもらいたい」と語る。
次回作の表紙にはついに、創刊号から予告してきたエンテロウイルスを擬人化したイラストが登場する。今後も感染症を擬人化した人物があと2名登場する予定があるという。