2024/05/02

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台湾野球界初の女性審判、劉柏君さんに「世界女性スポーツ賞」

2019/04/09
台湾野球界初の女性審判である劉柏君さん(写真)が3月20日、国際オリンピック委員会(IOC)と国連のUNウィメン(UN Women)が実施する2019年「世界女性スポーツ賞」を台湾人で初めて受賞した。(UNウィメン公式サイトより)
台湾野球界初の女性審判である劉柏君さんが3月20日、国際オリンピック委員会(IOC)と国連のUNウィメン(UN Women)が実施する2019年「世界女性スポーツ賞」を台湾人で初めて受賞した。劉柏君さんは授賞式で「性別による差別の三振を目指す」とし、今後も社会貢献に力を入れることを約束した。
 
女性のスポーツ参加などに貢献した関係者や組織に贈る「世界女性スポーツ賞」の授賞式は、国際オリンピック委員会とUNウィメンの協力により、国連女性の地位委員会(Commission on the Status of Women)第63回会議で行われた。
 
劉柏君さんは高校時代に野球に目覚めた。野球に対する情熱があったから、さまざまな不公平な待遇も乗り越えることができた。劉柏君さんは台湾野球界初の女性審判として、2017年に台湾の「十大傑出青年」に、2018年には米フォーブス誌から「世界のスポーツ界で最も影響力のある女性(Most Powerful Women in International Sports)」に選ばれた。また、米国務省が主催するグローバルスポーツ指導プログラム(Global Sports Mentoring Program)にも参加。より多くの女性アスリートを育成すると同時に、社会から疎外された青少年や未成年で出産した女性などがスポーツを通して健全な身心を取り戻す仕組みを提案した。
 
「世界女性スポーツ賞」の授賞式に出席した劉柏君さんは「性別による差別から『三振を取る』ことは容易ではない。誰もが知るとおり、女性が指導的地位に立つ場合、私たちは十分にやるだけでなく、より優秀である必要がある。この賞を受けることが出来て感謝している。今後も社会貢献を使命として取り組んでいきたい」と語った。
 
UNウィメンの公式サイトは劉柏君さんの言葉を紹介している。そこには「初めてジェンダーの不平等を意識したのは13歳のときだった。学校の野球チームに入りたかったが、女性だからという理由で断られた。『女性はソフトボールをやりなさい』と冷たくあしらわれた。その後、野球の審判に挑戦することにしたが、性別のためにあちこちで壁にぶつかった。ある野球選手は公然と、女性に球場に立ち入って欲しくないと言った。悪い運が付くからと、野球ボールに触るなと言う審判もいた」、「自分一人では状況を変えることはできないと私は知っている。しかし、誰かと一緒になら変えられる。私たちにはもっと多くの女性審判が必要だ。自分は唯一の例外にはならない」と書かれている。
 
 

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