2024/05/12

Taiwan Today

文化・社会

路思義教会堂、設計した貝聿銘氏102歳の誕生日に国定文化財に

2019/04/30
台湾中部の台中市にある東海大学の路思義教会堂(Luce Memorial Chapel)が、行政院直轄市が指定する文化財から国の定める文化財へと改められた。特殊な構造を持つこの教会堂は1963年に建てられ、その後の台湾を見つめてきた。(中央社)
台湾中部の台中市にある東海大学の路思義教会堂(Luce Memorial Chapel、中国語では「路思義教堂」)が、行政院(内閣)直轄市が指定する文化財(古蹟)から国の定める文化財へと改められた。国定文化財の証書が授けられた26日はちょうど、同教会堂を設計した建築家、貝聿銘氏の102歳の誕生日で、同大学の教師及び学生たちにとっては歴史に立ち会う有意義な一日となった。
 
路思義教会堂は東海大学の精神的な砦であり著名なランドマークでもある。国際的に知られる建築家、貝聿銘氏と陳其寛氏が共同で設計した。今年、文化部(日本の省レベル)が同教会堂の国定文化財昇格を決定したのを受けて、東海大学は26日、路思義教会堂において証書を授かるセレモニーを行った。文化部文化資産局の施国隆局長が国定文化財証書を授与、東海大学の王茂駿学長が代表としてセレモニーに出席した。
 
王茂駿学長によると、東海大学は路思義教会堂を大切に守る一方でそれをシェアすることにも積極的。毎週主日の礼拝を行っているほか、学生たちのためのワークショップも開くなど、校内の教師や学生、近隣住民や行楽客がここで物事を考えたり、黙想したり祈ったりするのを歓迎している。
 
路思義教会堂は薄い2枚の曲面が左右から合掌している形で出来ている。高さ20メートル近くで幅は約30メートル。外側で最も薄いところはわずか20センチしかない。前衛的かつ独特な工法が採用されており、柱も梁も壁も無いのが特色。この教会堂は米国のLuce家による寄付で1963年に建てられた。キリスト教の教会が学校を開き、宗教思想を広めようとした時代背景とも関係がある。同教会堂は台湾が米国による援助を受けていた時代や、第二次世界大戦後の冷戦時代における台湾の姿を見つめてきた。文化資産局では、台湾の宗教史、政治史、そして教育史に対していずれも重要な意義を持つ建築物だと評価している。
 
 

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