内政部(日本の省レベル)が17日午前、「DTM資料開放与加値介接使用者交流研討会」(数値地形モデルデータのオープン化と高付加価値化に関するAPIユーザー交流セミナー)を開催した。内政部の花敬群政務次長(副大臣)は席上、このほど20m単位のメッシュ(20mの方眼)で表示した最新版DTMデータを公開したと宣言、各界が無料でダウンロードし、新たな価値を加えて応用するよう期待した。このデータを使えば台湾最高峰の玉山連峰やタロコ(太魯閣)峡谷など壮麗な景色がいずれも立体図もしくは3Dプリンターによる模型として再現できるほか、アイデアを加えてVR(仮想現実)などのサービスに応用することも可能だという。また、最新版では台湾本島のほか、初めて離島の金門島も対象に加えた
DTM(=Digital Terrain Model、数値地形モデル。数値標高モデルとも)は地表の高低を3D空間で表現する座標データで、内政部は2016年9月から20m単位のメッシュデータを無料で公開している。ダウンロード回数は今年5月までで延べ3万回に達し、ユーザーからも好評だという。今回更新された範囲は台湾本島の中部と南部、離島の澎湖(更新範囲26%)。また、離島・金門のデータも初めて公開しており、台湾のありのままの地形を3D空間の画像データ上で再現しようとする努力がまた一歩進んだことになる。
内政部によれば、DTMは政府の政策決定の核心となる画像データで、1回の測量と作成でリソースをシェアすることが目標。DTMの公開と更新は民間による様々な画像データの応用を可能にする。同時に「スマート政府」と、国のベースマップ3D化政策を着実に進めるものでもある。「スマート政府」は政府が掲げる目標。データを骨幹とし、IoT(モノのインターネット)やブロックチェーンを応用して国民のニーズに対応すると共に、AI(人工知能)やクラウドコンピューティングを活用して政策決定の品質を高めた政府のことを指す。
花敬群政務次長は、この交流セミナーが3D地形画像データとDTMデータの応用を広め、台湾における3D画像データに価値を加えた応用がいっそう深まることに期待。そしてさらに花政務次長は、こうした取り組みは地理空間情報通信産業のイノベーションと学術的な技術研究の発展に寄与し、空間データがAIやクラウドコンピューティングを活用したスマートな政策決定を助けるという目的も達成することになると説明した。
同セミナーは「3D国土・スマート台湾」をテーマに、産官学各界から専門家や学者が参加して講演や座談会を実施。参加者が200人を超えるなど盛況だった。
DTMの最新版データは以下のサイトで検索、ダウンロードできる。
●政府資料開放平台(政府データオープンプラットフォーム)
●地理資訊図資雲服務平台(地理情報画像クラウドサービスプラットフォーム)(図資査詢)