弱冠17歳、かつて神童と呼ばれた卓球の林昀儒(Lin Yun-Ju、リンインジュ)選手が21日、マレーシアで行われたT2ダイヤモンド2019マレーシアの男子シングルス決勝で優勝した。世界ランキング3位、中国の樊振東(Fan Zhendong、ファンジェンドン)選手をゲームカウント4-1で下した。
T2ダイヤモンドは今年加わった試合で、ワールドツアーランキング上位の選手で行われる。今年はマレーシア(7月18日~7月21日)、中国(9月26日~9月29日)、シンガポール(11月28日~12月1日)の3大会しか開催されない。男女シングルスのみで、各16名の選手だけが出場できる。
T2ダイヤモンドはルールなどが他のツアーと違い、1ゲームは10対10になったら、どちらかの選手が次のポイントを取った時点(11対10)でゲーム終了となり、2ポイントの差を付けない。また、試合開始から24分までは11ポイント制だが、24分経過後は5ポイント制(プレーオフゲーム)を採用する。つまり、4対4になったら、どちらかの選手が次のポイントを取った時点(5対4)でゲーム終了となる。
左シェークの林選手はこの決勝戦でも安定したプレーを見せ、最大で10-5の大幅リードを見せた。第1ゲームを11-7、第2ゲームも11-4で先取りした。第3ゲームは8-11と樊選手に1ゲーム取り返されたが、第4ゲームで再び盛り返した。一時は4-5でリードされていたが、一気に7点を取り返し、11-5で林選手がゲームを取った。第4ゲーム終了時、規定の「試合開始から24分」が経過していたため、第5ゲームは5ポイント制が適用された。第5ゲームでは林選手が勢いに乗って4連続で得点し、そのまま樊選手に反撃のチャンスを与えず、5-0でゲームを取った。
林選手は幼いころから球技に高い関心を寄せていた、しかし、当時は背が高くなったため、ほとんどのスポーツでその能力を十分に発揮できずにいた。小学3年のとき卓球スクールに初めて参加し、卓球に目覚めた。スクールに入ってからはめきめきと腕を上げた。
5年生のときには全国規模の卓球の5つの大会で連続優勝。2012年、11歳のときには東アジアホープス大会の男子シングルスで優勝した。これは台湾人選手としては初の快挙であり、このとき男子団体でも台湾代表チームを優勝に導いた。
2015年には初めて国家代表選手に選出された。林選手は当時まだ14歳4か月で、台湾で史上最年少の卓球の国家代表選手となった。また同じ年に、男子15歳以下、男子18歳以下の試合でも代表選手に選ばれた台湾で初めての選手となった。
2018年にはITTF(国際卓球連盟)ワールドツアー・ハンガリーオープン(U21)に出場し、男子シングルスで優勝。今年3月に開かれたITTFチャレンジ・オマーンオープンでは混合ダブルス、男子ダブルス、男子シングルスで優勝している。
今年4月に発表されたITTFの世界ランキングは過去最高の21位。林選手のコーチによると、林選手は近年、中国人選手たちに最大のライバルと見なされるようになっている。「資質がある」、「球感が良い」などが林選手の長所だと評価している。