2024/09/29

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政治

8日明け方、台湾北東部・宜蘭県を震源とするM6.0の地震発生

2019/08/08
きょう(8日)午前5時28分、台湾北東部・宜蘭県の近海を震源とする大きな地震が発生した。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.0、震源の深さは22.5 キロメートルだった。写真は宜蘭県内の大型スーパーの様子。(読者提供、中央社)
きょう(8日)午前5時28分、台湾北東部・宜蘭県の県庁所在地から36.5キロメートルの近海を震源とする大きな地震が発生した。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.0、震源の深さは22.5 キロメートルだった。最大震度は宜蘭県の震度6で、台北市、花蓮県、新北市、新竹県、桃園市、台中市で震度4を観測した。
 
中央気象局によると、この地震は南宜蘭構造線の地層のずれによって引き起こされたもの。南宜蘭構造線は宜蘭県と花蓮県の県境の陸地から近海10~20キロメートルにある断層。記録によれば南宜蘭構造線では地震が頻繁に発生しており、1920年6月5日にはマグニチュード8.0相当の地震が発生したと伝えられている。但し、当時の限られた設備では、その規模を正確に観測していない。
 
地震発生を受けて台湾電力公司は、第二原子力発電所(台湾北部・新北市)と第三原子力発電所(台湾南部・屏東県)が正常運転を行っていることを明らかにした。第一原子力発電所(新北市)と第二原子力発電所、それに第四原子力発電所(新北市)は地震発生を受けて計器が作動したため、規定の手順に従って検査を行った。その他の発電、送電、配電システムは現在のところ正常に機能している。
 
ダム・貯水池部分に関しては、経済部(日本の経済産業省に相当)水利署が震度4を観測した大埔、新山、震度3を観測した石岡壩、湖山、渓畔、桂山、粗坑、阿玉、羅好、震度2を観測した鯉池潭、集集、桶頭について確認を行ったところ、初歩的な検視による異常は見られなかった。経済部水利署では、各ダムの管理組織に対して巡視の強化を指示している。また、宜蘭県を流れる蘭陽渓、宜蘭河、和平渓などの河川沿いの堤防施設では、水位が警戒水域に達していないことが確認された。
 
在来線を運行する台湾鉄路管理局では、震度5以上の地震が発生した場合、列車の運行を強制的に停止すると規定している。今回の地震では、宜蘭駅-南澳駅の区間で震度5を観測したが、当該時刻はこの区間を走る列車がなかったため、運行停止は行っていない。また、南澳駅-鳳林駅の区間と七堵駅-香山駅の区間で震度4を観測したため、関連部署に通知し、直ちに作業員を派遣させて軌道などの設備について安全確認を行った。
 
台湾高速鉄道(=新幹線)を運行する台湾高鉄公司は、苗栗県(台湾北西部)以北で地震計が加速度40ガル(Gal)以上を観測したことから、関連の安全マニュアルに基づき、時速70キロメートルから運転をスタートし、徐々にスピードを上げて点検を行うことにした。台湾高速鉄道は午前6時、定刻どおり運行を開始したが、点検による速度制限の影響で、午前8時まではダイヤの乱れが生じた。
 
台北メトロ(MRT)を運行する台北捷運公司は、地震後に軌道の点検を行い、定刻どおり午前6時より運行を開始した。桃園メトロ空港線を運行する桃捷公司も、安全のためのSOPに基づき、全線で軌道の点検を行い、安全を確認した。このため、始発(午前5時57分出発)に遅れが生じ、午前6時20分の出発となった。
 
また、台湾北部・台北市の超高層ビル「台北101」に設置されている世界最大の振り子型動吸振器(免震ダンパー)が、今回の地震で左右各15㎝の揺れ幅を記録した。目視では大きな揺れ幅ではないものの、地震による免震ダンパーの揺れとしては、今年4月18日に発生した花蓮地震の左右各20㎝に次ぐ過去2番目に大きいものとなった。
 

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