仏パリにあるポンピドゥー・センターが開催する文学イベント「Festival Extra!」に、台湾人作家の鴻鴻さんが今月11日から15日まで参加する。
「Festival Extra!」は今年で3年目を迎えるイベント。さまざまな手法で現代文学を表現することを奨励するもの。紙面という枠組みを取り払い、文学をパフォーマンス、映像上映、音楽会などさまざまなイベントと結びつけて表現し、「文学のおわり」を否定することを目指す。
鴻鴻さんは詩人、劇作家、映画監督とマルチな才能を持つ。文学作品をさまざまな分野で表現する活動に長年取り組んでいる。この文学イベント「Festival Extra!」のキュレーターであるJean-Max Colardさんが台湾を訪れた際、「Festival Extra!」が開設した「ベルナール・エドシック文学賞」の審査員を打診された。
ベルナール・エドシック氏はフランスの詩人。1928年に生まれ、2014年に没した。彼が提唱した「行動詩(poésie action)」あるいは「poésie-performance(いわゆるポエトリーリーディングのこと。詩を朗読するアート形態を指す)」は、詩と造型、視覚、音声といったアートパフォーマンスを融合するというもの。
鴻鴻さんは文学賞に審査員として「Festival Extra!」に参加するほか、6日午後6時からは、フランスの出版社Librairie Le Phénixの招きを受け、自身の著書『穿牆人(Le passe-muraille)』フランス語版のサイン会を開催する。また、10日はこの作品の翻訳者であるSandrine Marchandさんと共に、パリのITEM (Institut des textes et manuscrits modernes)が主催する翻訳のワークショップにも参加することになっている。