2024/05/05

Taiwan Today

文化・社会

ジェンダー問題をユーモラスに、『誰先愛上他的』が米アカデミー賞への推薦作品に

2019/09/17
文化部影視及流行音楽産業局が、来年の米アカデミー賞国際長編映画賞に推薦する作品に『誰先愛上他的(Dear EX)』を選出。ジェンダー問題をユーモラスに描いたユニークな作品だ。写真は同作品の一場面。主演の邱澤さん(左)と謝盈萱さん(右)。(Netflix提供、中央社)
文化部(日本の省レベル)影視及流行音楽産業局はこのほど、来年の米アカデミー賞国際長編映画賞(Best International Feature Film)部門に推薦する作品を選定する会議を開催した。その結果、同会議では16の応募作品から、『誰先愛上他的(Dear EX)』を台湾を代表する作品として推薦することに決定。『誰先愛上他的』は、「どちらが先に彼を好きになったの?」という意味。
 
2018年11月に公開された『誰先愛上他的』は著名なシナリオライターの徐誉庭さんと新鋭監督の許智彦さんが共同でメガホンを取り、邱澤(Roy CHIU)さんと謝盈萱さんが主役を務めたコメディ映画。物語は、ある舞台監督の妻が夫の死後、夫の同性パートナーがその遺産相続人になっていたことを知る。さらに反抗期の息子まで夫の男性パートナーと同居するようになる。怒りの収まらない妻は、夫の同性パートナーと遺産争いをすることになるが、同時に長年夫が心に封じ込めてきた性的指向をより深く知るようになるという物語。
 
選定委員会は同作品について、「通俗的でユーモラスな手法をとりながら、性の多様性に関する問題を提起し、台湾が今まさに迎えているジェンダー平等のマイルストーンとその生命力を表現するものだ」と評価した。
 
『誰先愛上他的』は興行的に成功したほか、2018年のタイペイ・フィルム・フェスティバル(台北電影節)でも最優秀長編作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞の主要3賞を独占、さらに中国語映画のアカデミー賞とされる同年のゴールデンホース・アワード(金馬奨)でも8部門にノミネート、謝盈萱さんは見事、最優秀主演女優賞を射止めた。さらに技術的な賞として最優秀歌曲賞(Best Original Film Song)と最優秀編集賞も受賞している。
 
海外でも高く評価され、2018年には香港のアジア・フィルム・アワード(香港亜洲電影大奨)でアジア新人監督賞を獲得。さらにイタリアのウディネ極東映画祭(Udine Far East Film Festival)での上映作品に選ばれたほか、韓国の釜山国際映画祭でも「アジア映画の窓」部門で紹介された。
 
 

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