国立台湾文学館(台湾南部・台南市)は1日、『台湾漢詩三百首』(上巻と下巻の全2巻)を発表した。台湾を代表する詩人150名の漢詩300編が収められている。台湾古典詩を学校教育で普及させるのが狙い。
17世紀から現在まで、台湾文学は400年近い発展を遂げてきた。古典文学の分野では、古典詩の作品が最も多い。このほど発表された『台湾漢詩三百首』は、『全台詩』60冊、『台湾古典詩選注』6冊、『台湾古典作家精選集』38冊に収録されている2500編余りの、すでに解釈がなされている作品の中から300編を選んだもの。
詩人150名の時代区分を見ると、清朝時代が約70名、日本占領時代が約80名。そのうち、呉徳功、洪棄生、許南英などは、清朝末期から日本占領時代にかけて活躍した詩人だ。また、そのうち当時台湾に住んでいた台湾出身者以外は53名、台湾出身者は97名。150名のうち、女性は8名となっている。
国立台湾文学館の委託を受けて『台湾漢詩三百首』の編纂を行った梅川伝統文化学会は、300編の中から50編を厳選し、それぞれにQRコードを付けた。スマホでQRコードをスキャンすると、詩の朗読、詩吟の動画を見ることができるほか、典故、難解な文字の解釈、創作の背景などの説明を通して、詩歌の美しさをより深く体感できるという。
国立台湾文学館は『台湾漢詩三百首』を、高校や大学の教材として推奨していく考え。すでに一部の大学では詩歌の授業で、この本が教科書として採用されている。