文化部(日本の省レベル)と財団法人台北書展基金会(台北ブックフェア基金会)が、効果とクオリティへの考慮を理由に今年の台北国際書展(台北国際ブックフェア)を5月に延期すると決定した。新たな開催期間は5月7日(木)から12日(火)まで。
台北国際ブックフェアは文化部が主催し、台北ブックフェア基金会が実行する大型の国際交流屋内見本市イベントで、今年は2月4日(火)から9日(日)まで台北世界貿易センター展示ホール1で開催される予定だった。平均で毎回延べ60万人近くが来場する大型イベントで、近年は毎年1,000回近いトークイベントや交流活動が開かれるなど、インタラクティブな交流機能も高まっている。今年は出版社675社が出展し、50カ国近くから関連の業者や作家が来台して参加することになっている。また、児童書エリアを初めて展示ホール1に移して様々な交流活動も行う予定。
新型のコロナウイルスによる肺炎が拡大していることを受けて設置された「厳重特殊伝染性肺炎中央流行疫情指揮中心」(厳重特殊伝染性肺炎中央感染状況指揮センター)は、大勢の一般人が集まる大規模な集会を一時中止するよう求めてはいない。また、文化部に属する美術館や博物館などの施設も感染対策を実施しながら通常通りの運営を続けている。しかし、出版業界は、台北国際ブックフェアを予定通り開催しても、新型肺炎が参観意欲に影響して予期した効果が上がらないと不安視、文化部に対してイベントの延期を提言した。
文化部と台北ブックフェア基金会は29日、出展を予定する業者と関連の企業団体代表を集めて協議し、イベントの延期を決定した。延期の理由は以下の3つ。①来場意欲がある程度影響を受けるであろうこと。②50カ国近くから出版業者や作家が来台してイベントに参加することになっているが、台北ブックフェア基金会にはこのところ一部の出展団体、出版社、著作権所有者、作家から延期を希望する声が寄せられていること。また、海外からの出展団体や作家からも来台を見合わせる通知が続々と届いていること。③今年は児童書エリアが台北世界貿易センター展示ホール1に設置されるため、新型肺炎を恐れる保護者や教師が子どもを引率して参観する意欲がなおさらそがれるだろうこと。