2024/06/30

Taiwan Today

政治

医療機関へのマスク支給を1日170万枚に倍増、日産量の増加受けて

2020/02/11
中央感染症指揮センター(CECC)は10日夜8時に記者会見を開き、この1週間で台湾における医療用マスクの生産量が明らかに増加していることから、11日より医療機関へのマスクの支給量を倍増させることを発表した。写真はマスクの正しい着用方法を教える台中栄総医院の陳伯彦医師。(自由時報)
新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、台湾ではマスクを購入する市民が急増した。マスク不足を解消するため、政府は国内のマスク工場で生産されたマスクをすべて買い上げ、コンビニや薬局などに提供して販売し、且つ1人当たりの購入上限を1日3枚とする措置を講じた。また、今月6日には実名制を導入。健康保険特約薬局で全民健康保険カード(健保カード)を機器に差し込むことで、マスクを購入できるようにした。1人当たりの購入上限を7日間で2枚としたが、それでも医療関係者のマスク不足を解消するに至らず、医療機関を受診するにも着用するマスクがないという患者も少なくない。
 
中央感染症指揮センター(=中央流行疫情指揮中心、Central Epidemic Command Center)は10日夜8時に記者会見を開いた。センターの指揮官を兼任する衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の陳時中部長(=大臣)はこの記者会見で、経済部(日本の経済産業省に相当)の協力の下、この1週間で台湾における医療用マスクの生産量が明らかに増加し、1日の平均生産量がこれまでの320万枚から420万枚以上に増えていることから、まずは医療機関など専門分野のニーズを満たすことを決めたと発表した。
 
中央感染症指揮センターはきょう(11日)から、医療機関などへのマスクの支給量を、これまでの1日平均85万枚から、170万枚に増やす。
 
中央感染症指揮センターは2月6日より、1日130万枚のマスクを地方の衛生局に配給した上で、そのうち65%(つまり約85万枚)を医療機関に支給するよう要求してきた。11日からはこれを倍増させると同時に、医療機関が必要とする安全在庫に達するだけのマスクを補充する。まずは15日分以上を目標とし、少なくとも7~8日分の在庫を補充したい考え。
 
また、「中医(=漢方医)」、「西医(=西洋医学)」、「歯科」のクリニックについては、まず7日分のマスク在庫量を補充する。その後も、少なくとも3~4日分の在庫を維持できるようにする。また、各クリニックにもマスクを支給する。クリニックに登録する医師が1人いれば、医師含めてスタッフ5人を代表すると見なされ、1日10枚のマスクが支給される。つまり、医師を含めてスタッフ5人のクリニックの場合、1人当たり毎日2枚のマスクが支給されることになり、看護士、アシスタント、清掃員などと分け合うことができる。1つのクリニックに医師が2人いる場合はマスク20枚が支給される。現在、台湾のクリニックで働く医師は3万6,800人余り。
 
このほか、特殊な医療ニーズを持つ患者のために、1日当たりマスク13万枚を支給する。このマスクが支給されるのは(1)人工透析のために病院を訪れる必要がある患者、(2)抗がん剤治療(化学療法)や放射線治療のために病院を訪れる必要がある患者、(3)その他の理由で、医師から頻繁に通院を求められている特殊な患者、(4)入院患者の付き添い(入院患者1人に対して1人に限る)。これら4タイプにいずれかに当てはまる人は、医療機関に登録すれば医療用マスク1枚を入手することができる。マスクの支給は医療機関が管理する。
 
統計によると、台湾では現在、毎日延べ3万2,000人が人工透析を受けている。抗がん剤治療や放射線治療を受けている患者は1日述べ約1,100人、入院患者は延べ9万7,000人である。このほか白血病、臓器移植など免疫力が低下しており頻繁に通院する必要のある患者については、人数が比較的少ないため上記の4タイプに加えていないが、医師の判断でマスクを提供するかどうかを決めることができる。
 
中央感染症指揮センターは10日と11日の両日、350万枚のマスクを各地の衛生局に送り、そこから医療機関などに支給する。今後マスクの生産量がさらに増加すれば、支給量をさらに増やす考え。
 

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