2024/11/24

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政治

行政院、「振興三倍券」でコロナ後の消費拡大目指す

2020/06/03
行政院(=内閣)は2日、コロナショック後の経済を立て直すために「振興三倍券」を発行することを明らかにした。国民1人当たり1,000台湾元(約3,600日本円)を自己負担することで、その3倍となる3,000台湾元(約1万日本円)の消費ができる。使用期間は7月15日から12月末まで。写真上は紙の「振興三倍券」。上は額面200元のクーポン券、下は額面500元のクーポン券。現金と同じ効力を持つ。(行政院)

新型コロナウイルスの封じ込めに一定の成果を上げた台湾では、いかにしてコロナショックから経済を立て直すかが重大な課題となっている。振興券の発行で消費拡大を目指すとしていた行政院(=内閣)は2日、振興券を「振興三倍券」と名付けることを発表した。国民1人当たり1,000台湾元(約3,600日本円)を自己負担することで、その3倍となる3,000台湾元(約1万日本円)の消費ができるというもの。使用期間は7月15日から12月末までとなる。

 

■誰が受け取れる?

中華民国国籍を持つ国民と、在留資格(居留証)を持つ外国籍配偶者及び中国籍配偶者であれば1人1セット受け取れる。12月31日までに生まれた新生児も、国民健康保険証を取得すれば受け取ることができる。収入制限は設けない。但し、中・低所得世帯は1,000台湾元の自己負担が免除され、政府から直接口座に1,000台湾元が振り込まれるので、これを「振興三倍券」に兌換することができる。

 

■使用期間は?

2020年7月15日から12月31日まで

 

■発行の方法は?

紙の「振興三倍券」のほか、モバイル決済(台湾ペイ、LINEペイ、街口支付など)、交通系ICカード(悠遊カード、iPASS)、クレジットカード決済の4種類から選べる。

 

■紙の「振興三倍券」とは?お釣りは?

紙の「振興三倍券」は額面200元のクーポン券5枚と額面500元のクーポン券4枚が1セットになっており、現金と同じ効力を持つがお釣りは出ない。電子マネーなどのチャージに使うこともできない。

 

※原則としてお釣りは出ないが、店舗側が消費者の便宜を図るためにお釣りを出すことは禁止しない。但し、消費者が店舗側に対してお釣りを出すよう強制することはできない。

 

■紙の「振興三倍券」はどこで兌換できる?

7月15日以降、台湾各地の郵便局(1,300か所余り)で国民健康保険証を持参の上、兌換することができる。あるいは台湾の4大コンビニの各店舗で、7月1日より予約を受け付け、15日以降に受け取ることができる。兌換や受取りの際、手数料は発生しない。

 

■紙ではない「振興三倍券」はどのように受け取れる?

クレジットカード、モバイル決済、交通系ICカードで受け取る場合は、7月1日より所定のウェブサイトで使用するデバイスやカードを登録する。消費額3,000台湾元(約1万日本円)以上に達すると、2,000台湾元(約7,270日本円)が自動的にキャッシュバックされる。キャッシュバックの方法は以下のとおり。

 

クレジットカード:翌月の請求書で、請求額から2,000元が差し引かれる

モバイル決済:アプリの口座に2,000元が振り込まれる

交通系ICカード:カードを持ってコンビニに行くと2,000元がチャージされる

 

■使用範囲は?

実店舗、飲食店、ナイトマーケット、伝統市場、商圏、芸能・文化イベント、宿泊施設、台湾高速鉄道、台湾鉄道などで使用できる。

 

一方、インターネットショッピング、納税、罰金や各種支払い、タバコ、保険、株券の購入、国民年金の支払い、クレジットカードの支払い、商品券の購入、チャージなどに使用することはできない。

 

原則上、インターネットショッピングに使用することはできないが、購入するものがチケットや実体の体験を提供するものであれば使用できる。例えば旅行サイトで宿泊券を購入したり、オンラインで公演、展覧会、試合などの入場券を購入したりすることは可能。

 

★★★★

 

行政院の蘇貞昌院長(=首相)は2日、中華民国(台湾)の国籍を有する2,300万人に加え、居留証を持つ外国籍配偶者(中国籍配偶者を含む)を「振興三倍券」の対象とすることを明らかにした。生まれたばかりの新生児から100歳を越えた高齢者までいずれも「振興三倍券」を受け取ることができ、年齢に制限を設けない。新生児の場合、12月31日までに生まれ、国民健康保険証を入手することができれば受け取ることができる。

 

内政部の徐国勇部長(=大臣)によると、「新住民(婚姻により台湾にやってきた外国籍配偶者)」もすでに台湾の構成員の一部であると考え、居留証を持つ外国籍配偶者(中国籍配偶者を含む)を「振興三倍券」の対象にした。中華民国の旅券を持つが、海外に在住するため台湾に戸籍の登録がない「無戸籍」の国民も対象となる。一方、外国人労働者を含む在留資格を持つ外国人は対象外となる。

 

経済部(日本の経済産業省に相当)の沈栄津部長によると、「振興三倍券」による経済への波及効果は1,000億台湾元(約3,600億日本円)以上と試算している。外国籍配偶者を含む国民全員が1,000元を自己負担し、政府が2,000元を負担する。さらに商店などが割引などの販促を行うことで、3,000元が4,600元(約1.6万日本円)の価値を持つことになる。これを国民2,300万人と外国籍配偶者(中国籍配偶者を含む)を足した数で掛けると1,112億台湾元(約4,040億日本円)となるため。

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