2024/12/23

Taiwan Today

経済

ステッパー最大手のASML、台南に「EUV世界トレーニングセンター」開設

2020/08/21
半導体製造の前工程で世界トップのASMLが台南市に「EUV世界トレーニングセンター」を開設。写真はオープニングセレモニーの様子。左から5人目が王美花経済部長。2人目はオランダのLisette Hurkmans-Berkers駐台代表。右から2人目がドイツ経済弁事処のLeonie Yang総経理。(経済部サイトより)
オランダに本部を置き、半導体製造の前工程で世界トップの立場にある半導体製造装置メーカーのASMLが、半導体製造技術で世界をリードし、生産額で世界2位の台湾に「EUV(極端紫外線)世界トレーニングセンター(EUV Global Training Center)」を開設した。同センターは台湾南部・台南市に設けられ、20日に南部サイエンスパーク(台南市/高雄市)で行われたオープニングセレモニーには経済部(日本の経産省に相当)の王美花部長(大臣)、オランダの駐台湾代表であるLisette Hurkmans-Berkers女史、ドイツ経済弁事処の業務を執行する博智顧問有限公司のLeonie Yang総経理(社長)らが出席した。
 
ASMLは半導体露光装置(ステッパー、フォトリソグラフィ装置)の世界最大のメーカーで、その世界シェアは約80%に達する。そのEUV露光装置は回路線幅が7ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下の半導体製造プロセスにおける前工程のカギとなる設備で、現在はASMLのみが供給している。台南市での「EUV世界トレーニングセンター」開設は同社の台湾における運営と服務項目をより多様化すると共に、同社が台湾の半導体産業にいっそう整ったサービスを提供できるようになることを意味する。また、先進的な設備と世界の優れた人材が集まることで、台湾における半導体製造設備のサプライチェーンを担う人材の育成強化にもつながると期待される。
 
経済部の王美花部長は、新型コロナウイルスの影響で世界経済が深刻な打撃を受ける中、台湾の半導体産業による第1四半期の生産額は前年比でプラス28%と依然好調だと述べ、これはデジタル時代において新たな科学技術の応用と半導体産業とがきわめて密接に関係しており、今後もそうした需要がさらに広がっていくことを示していると指摘した。経済部では、「EUV世界トレーニングセンター」の落成は同社が台湾向け投資の拡大に自信を深めていることを象徴しているほか、台湾が投資先として安全かつ安定しており、企業の事業計画を円滑に進めていける環境であることを示していると歓迎した。
 
ASMLの台湾での運営は2003年にスタート。職員は現在2,700人あまりで、レチクル搬送システムや半導体の計測、検査システムに関する研究開発及び製造などを行っている。
 
 

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