2024/09/17

Taiwan Today

政治

海洋委員会海巡署の巡視船、ツバル残留の台湾人と日本人を救出

2020/09/07
行政院海洋委員会海巡署の遠洋巡視船「巡護八号」は6日、「中西太平洋公海漁業巡護(=中西部太平洋の公海における海上警備)」の任務の途中、ツバルに立ちり、新型コロナウイルスの影響で現地に取り残されていた台湾の外交代替役3人と日本人2人を救出し、台湾に無事戻ってきた。(外交部)

新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)の影響を受けて、南太平洋にある中華民国(台湾)の国交樹立国の一つ、ツバルは今年3月より、海外とのあらゆる交通手段を中断する国境封鎖を続けている。中華民国政府による積極的な交渉の結果、中華民国から派遣された外交代替役(中国語では外交替代役)3人が6日、行政院海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)が派遣した巡視船に乗って無事帰国した。外交代替役とは国交樹立国で勤務することで兵役義務の代替とする男子のこと。

 

ツバルは今年3月、海と空の交通の中断(貨物を除く)を宣言した。それから5か月が経つが、海外在住のツバル国民の帰国も、海外での受診を希望するツバルの重病患者の出国も認められずにいる。中華民国政府は、現地駐在を続ける外交代替役3人がまもなく派遣期間満了を迎えることから、飛行機や船をチャーターすることでツバルから脱出させる方法について幾度となくツバル政府に打診していた。しかし、ツバル政府がチャーター機等の着陸許可を拒んだことから、実現できずにいた。ツバルは最終的に、今年8月から第2回「中西太平洋公海漁業巡護(=中西部太平洋の公海における海上警備)」の任務に当たることになっていた海洋委員会海巡署の遠洋巡視船「巡護八号」がツバルに立ち寄ることに同意。「巡護八号」は8月21日、ツバルに立ち寄り、台湾の外交代替役3人と現地に残留していた日本人2人を乗せて台湾へ向かった。

 

この日本人2人は仕事の都合でツバルに滞在しており、ツバルの中華民国大使館に対し、ツバルを出国する手段がないか何度も問い合わせていた。「巡護八号」にはまだ人員を収容するスペースがあったことから、一緒に台湾まで送り届けることにした。

 

「巡護八号」によって救出された日本人2人は、中華民国政府が支援の手を差し伸べ、2人の脱出を手助けしてくれたことに大変感謝しているという。ツバルはこのほど、同国の医療システムを守るため、国境封鎖を2021年3月まで延長することを発表したばかり。こうした中、台湾の外交代替役3人と日本人2人は幸運にも、コロナ禍で初めてツバルから脱出できた外国人となった。

 

新型コロナウイルスは依然として世界各地で猛威を振るい、各国が甚大な被害を受けているが、そうした中で台湾と日本は助け合いの精神を発揮している。例えば日本の横浜に停泊していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の台湾人乗客を救出したチャーター機の派遣や、ペルー、インド、フィジー、ロシアなどからの自国民救出について、台湾と日本は助け合い、これを成功させてきた。

 

今回は中華民国(台湾)外交部(日本の外務省に相当)と行政院海洋委員会の努力により、往復1万4,000キロメートルにおよぶ航海を経て、自国の外交代替役を帰国させただけでなく、国際人道支援の精神を発揮することが出来た。これは海外にいる自国民を保護するという中華民国政府の決意だけでなく、台湾と日本の友好関係が緊密且つ堅実なものであることを改めて示す行為となった。

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