2024/05/04

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APEC閣僚会議に台湾が参加、「コロナ禍の中でAPECは引き続きポジティブな役割を」

2020/11/17
APEC閣僚会議がテレビ会議形式で開催され、台湾の2閣僚は新型コロナウイルス封じ込めの成果をアピールすると共に、APECに会員間の協力を促進するポジティブな役割を求めた。写真は行政院経済貿易交渉オフィスの鄧振中政務委員が会議に参加している様子。(国家発展委員会サイトより)
第31回APEC(アジア太平洋経済協力)閣僚会議が台湾時間の16日午後8時から11時半まで開かれた。中華民国(台湾)から参加した国家発展委員会(日本の省レベル)の龔明鑫主任委員と行政院経済貿易交渉オフィスの鄧振中政務委員(=無任所大臣)の2閣僚は同日午前に国家発展委員会で記者会見を開き、参加するにあたっての計画を説明した。
 
新型コロナウイルスの影響で、今年の閣僚会議は初めてテレビ会議形式で開かれた。今年の主催エコノミー(経済体)であるマレーシアが設定したテーマは「共有された繁栄の強靱な未来に向けた、人間の潜在能力の最適化(Optimising Human Potential towards a Resilient Future of Shared Prosperity: Pivot. Prioritise. Progress)」。会議は2回に分けて行われ、第1セッションの「貿易・投資のラナティブ(意義の説明)の改善」では行政院経済貿易交渉オフィスの鄧振中政務委員が発言し、第2セッションの「デジタル経済と技術を通じた 包摂的な経済参画」では国家発展委員会の龔明鑫主任委員が発言した。会議終了後には慣例通り閣僚たちによる共同声明が発表され、APECが団結して新型コロナに対抗していく努力と決意、ならびに貿易と投資、デジタル経済と科学技術、構造改革、経済と技術の連携などでのAPECの協力と共通認識を強調した。
 
龔主任委員と鄧政務委員は会議の中で、コロナ対策における台湾の優れた封じ込め成果を紹介。鄧政務委員は、コロナ禍の中でAPECが引き続きポジティブな役割を果たし、会員間での感染予防物資の流通や様々な計画での切れ目ない交流と合作を促進するよう呼びかけた。また、台湾における感染対策の成功は台湾が各国に対して自由で開かれた貿易と物資の流通を維持するよう求める重要な基礎になっていると説明した。
 
龔主任委員は、コロナ禍によってデジタル技術を応用した高品質でアクセスしやすいヘルスケアの重要性がいっそう明らかになったとした上で、台湾は情報通信技術と医療での強みを組み合わせて理念の近いAPECの経済体と協力していく考えだと説明。それによってデジタルヘルスケアに関するプロジェクトの推進力を強め、アジア太平洋地域における持続可能な発展、健康、寛容性の未来の促進に貢献したいと述べた。
 
APECは近年、若者や女性、高齢者や心身障害者の問題に関心を寄せている。また、女性の経済的エンパワーメントを強化するため、昨年には「女性と包摂的成長のためのラ・セレナ・ロードマップ」が取りまとめられた。今年もジェンダーの視点を持つ様々な取り組みを進め、女性が労働参加し、意思決定職に就くことなど様々な面での支援を打ち出していくことにしている。このため龔主任委員は台湾もこれを支持する立場を伝えると共に、寛容性の発展に関する議題に今後も取り組んでいくことを表明した。
 
 

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