財政部(日本の財務省に相当)が8日、2020年12月の輸出入統計(速報値)を発表した。輸出額は330億米ドルで1カ月あたり過去最高を記録。11月と比べて3.2%増え、前年同月比では12.0%のプラスだった。2020年第4四半期の輸出額は972億1,000万米ドルで、前年同期比11.7%のプラスに。2020年通年での輸出額は3,452億8,000万米ドルで過去最高に。2019年に比べて4.9%のプラスだった。昨年12月の貿易黒字は57億6,000万米ドルで、2019年の12月と比べて32億9,000万米ドル多かった。2020年通年の貿易黒字は587億9,000万米ドルで、2019年から152億8,000万米ドル増えた。
通年での輸出額は前年比で161億2,000万米ドル(4.9%)増えた。増加額が最も多かったのは電子部品やICT(情報通信技術)製品・音響映像機器など。
電子部品の輸出額は1,356億米ドルで、前年から230億8,000万米ドル(20.5%)増えた。電子部品のうちIC(集積回路)が221億5,000万米ドル(22.1%)増加。 コンデンサと抵抗器が前年比で5億1,000万米ドル(23.4%)増加。プリント基板が前年比で3億3,000万米ドル(6.2%)増えた。
ICT製品及び音響映像機器の輸出額は491億8,000万米ドルで、前年と比べて15.4%、65億5,000万米ドル増えた。そのうちコンピュータ及び周辺機器が前年比で17億6,000万米ドル(19.9%)の増加。コンピュータの部品は16億6,000万米ドル(16.4%)増えた。また、記憶媒体が前年比で15億6,000万米ドル(20.3%)増加。さらにスイッチングハブとルーターが同12億米ドル、25.8%増えた。
次いで多かったのは光学機器。輸出額は117億7,000万米ドルで、2019年と比べて4.4%、5億米ドル増えた。液晶装置とその部品が前年比で5.3%、3億4,000万米ドル増えた。そして偏光板も同15.7%、1億5,000万米ドル増加した。
昨年の輸出額を輸出先で分類すると、中国大陸及び香港向けは1,514億5,000万米ドルで2019年から193億4,000万米ドル(14.6%)増えた。ASEAN向けは532億4,000万米ドルで、前年比1.3%(7億米ドル)のマイナスに。米国向けは505億5,000万米ドルで43億1,000万米ドル(9.3%)増加。欧州向けは281億7,000万米ドルで、前年比5.4%(16億米ドル)のマイナス。日本向けは234億米ドルで、2019年と比べて1億2,000万米ドル(0.5%)増えた。米国向け及び日本向けの輸出額はいずれも過去最高を記録した。
在宅勤務・リモートワーク関連のビジネスチャンスと5G(第5世代移動通信技術)など新技術の応用拡大を背景に年末商戦で在庫を増やす効果が著しかったほか、従来型産業の製品需要が徐々に回復していることから2020年12月の輸出額は前年同月比で12.0%増の330億米ドルに。前年同月比でプラスは6カ月連続。好調な輸出が国内の需要も増やしたため、2020年12月の輸入額も前年同月比で0.9%増の272億4,000万米ドルとなった。輸出と輸入のいずれも1カ月あたりの過去最高を記録した。2020年通年での輸出額は3,452億8,000万米ドルで過去最高に。前年比では4.9%増。輸入額は2,864億9,000万米ドルで前年比0.3%のプラスだった。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は587億9,000万米ドルで、過去最大となった。