2024/11/22

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政治

蔡総統が「先住民族デー」イベントにビデオメッセージ、「先住民族に学び、敬意を」

2021/08/02
蔡英文総統が1日、「先住民族デー」イベントにビデオメッセージを寄せ、東京五輪での先住民族選手の活躍ぶりを称えると共に、国民全てが先住民族に学び、敬意を示すよう求めた。写真は蔡総統のビデオメッセージ。(総統府サイトより)
蔡英文総統が1日午前、「81原住民族日:正名27周年回顧与前瞻」(8月1日先住民族デー:名を正してからの27年の回顧と展望)イベントにビデオメッセージを寄せ、先住民族に学び、敬意を示すことが「原住民族日」の最大の意義だと強調した。台湾では1994年8月1日に先住民族の呼び名を当時の「山地同胞」から「原住民」に「正名」(名を正す)しており、その後この日が「原住民族日」(以下、「先住民族デー」)と定められた。蔡総統はビデオメッセージの中で、東京オリンピックにおける先住民族出身の選手一人ひとりの好成績を祝福すると共に、国民がこれら選手の活躍ぶりに喝采を送ると同時に先住民族の歴史と文化も理解し、各分野における先住民族の活躍ぶりに目を向けるよう希望した。なお、東京オリンピックのウエイトリフティング女子59キロ級で金メダルを獲得した郭婞淳選手はアミ族出身、柔道男子60キロ級で銀メダルに輝いた楊勇緯選手はパイワン族出身。
 
蔡総統のビデオメッセージの要点は以下のとおり。
 
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ここ数日、東京オリンピックにおいて先住民族出身の選手たちが大いに異彩を放っている。我々はこれら選手一人ひとりの成績を心から祝福する。また、スポーツ以外の様々な面でも先住民族は優れた成績をあげており、それはスポーツと同様に注目されるべきである。それこそが「族群主流化」(様々なエスニックグループ全てを主流にして平等を保ち、差別を無くす取り組み)の実践である。
 
台湾における先住民族は民主化に向けた変革の過程に多く参与し貢献してきた。そしてこんにち、先住民族は政治への参与、経済と産業、国防、さらに感染症対策の最前線で傑出した成績をあげており、大いに尊敬されるべきである。
 
また我々はここ数年間、先住民族を対象にした歴史の正義回復、そして移行期の正義の作業に取り組んでいるが、それらはみな1994年の8月1日、当時の先住民族の先人たちが憲法改正を勝ち取って「正名」を実現し、不名誉な呼び名に別れを告げた努力を受け継いでいるものだ。
 
今年の「先住民族デー」にも多くの団体が呼応し、多様なイベントが行われた。特に客家委員会(日本の省レベル。台湾で二番目に大きいエスニックグループである客家人に関する政策を担う)が行った「向原住民族致敬」(先住民族に敬意を示そう)の一連のイベントはエスニックグループ間の相互理解を促進した。
 
だから私は、皆が先住民族出身のスポーツ選手の活躍に喝采を送る時には、共に先住民族の歴史と文化を理解し、各分野における先住民族の活躍ぶりに目を向けることも忘れないよう呼びかけたい。先住民族に学び、敬意を示すこと。これこそが「先住民族デー」が持つ最大の意義なのである。
 
 

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