蔡英文総統が15日早朝、台湾南部・屏東県を訪れ、「漢光37号」軍事演習を視察した。「漢光」演習は年1回行われる大規模な軍事演習。蔡総統が15日に視察したのはそのうち、屏東県西部の沿海地域にある佳冬郷の「戦備跑道」(通常は公道でありながら戦時には滑走路となる道路)を利用した戦闘機などの離着陸演習で、着陸してから燃料と弾薬を補充して再離陸する対応能力を検証した。蔡総統は、国軍による感染症対策の徹底と、高精度で実戦的な訓練を高く評価した。
蔡総統は「佳冬戦備跑道」に着くと、空軍第六混合聯隊の魯非凡聯隊長から演習に想定した状況、ならびに作戦に影響する各要素について報告を受けてから戦闘機のIDF、F16V、ミラージュ2000-5、早期警戒機のE2-Kが順番に南から着陸するのを視察。これら軍用機が指揮台の前を通過する際には手を振って激励した。蔡総統はまた、新型コロナウイルスのPCR検査の流れも確認した。
蔡総統は続いて整備補充エリアに移動、修護補給大隊の扈克傑大隊長から戦闘機の整備と補給作業について説明を受けた後、各軍用機の前でパイロットたちを労い、それぞれの隊長が燃料の補給と整備の状況を報告した。
蔡総統はその後指揮台に戻り、戦闘機などが「佳冬戦備跑道」から飛び立つのを確認。また、参加した兵士たちに「加菜金」(陣中見舞い金)を手渡し、演習任務の執行にあたる国軍の辛労をねぎらった。
この演習の視察には国防部(日本の防衛省に相当)の邱国正部長(大臣)、国防部の陳宝餘参謀総長、熊厚基空軍司令、第四作戦区の傅正誠指揮官らも参加した。