インドの医療デジタル化に関する管理システムや専門的なトレーニングを強化し、台湾、米国、インド三者による協力の可能性を探るため、台湾の駐インド代表処(インドにおける中華民国大使館に相当)、駐インド米国大使館、医療支援を目的とするインドのNGO「Voice of Healthcare」は2月25日、インド・デリーにおいて、「医療のデジタル化に向けた協力(Collaboration on Digital Healthcare)」のGCTF国際ワークショップを共催した。同ワークショップは、リアルイベントとオンライン形式のハイブリッドで実施された。GCTFは、台湾、米国、日本などが賛同する「グローバル協力訓練枠組み」のことで、地域の公衆衛生など様々な分野の人材育成に取り組む。GCTFが南アジア地域で海外イベントを開催するのは今回が初めて。さらにインド向けの最初の国際ワーショップでもあった。
オープニングは、台湾の葛葆萱駐インド代表(=大使)、駐インド米国大使館のPatricia A. Lacina代理大使、インド医学研究会議所(ICMR)の国際医療局、Mukesh Kumar局長がリアル及びオンライン形式でそれぞれ共同議長を務めた。そのほか、インド伝統医学を所管するインド政府アユシュ省のMunjapara Mahendrabhai大臣があらかじめ録画したビデオメッセージであいさつを行った。
葛葆萱代表はあいさつで、台湾の全民健康保険制度、ビッグデータおよび科学技術を活用した新型コロナウイルスに対抗する防疫対策の実績を共有し、インドでのデジタル医療発展の新たな機会を模索するための国際協力となるよう期待していると述べた。一方、Patricia A. Lacina代理大使は、台湾の優秀な医療システムや国際社会の一員として新型コロナと闘うために行った大量な防疫物資の寄付について称賛し、地域の医療パートナーシップ強化に貢献していることに喜びを示した。そのほか、Mukesh Kumar局長は、台湾の米国・インドの協力への参加を評価するとしたビデオスピーチを行った。Munjapara Mahendrabhai大臣もワークショップで提供される新たなアイデアと機会に感謝し、この機会を通じて、インド、米国、台湾の協力に期待しているとのビデオメッセージを寄せた。
今回のワークショップは、医療システムのデジタル化と医療機器産業における協力機会について議論するため、2つのセッションに分けて行われた。台湾からは、台北栄民総医院の李偉強副院長、長庚醫院腎臟科及び腎臟研究センターの田亞中主任、中原大学の張雍教授がオンライン会議で発言した。開催地デリーの会場にはインドの保健省、電子情報技術・通信省、国立インド変革委員会、医療業界、医療機器産業のほか、米国や理念を同じくする国家の駐インド大使館職員40名余りが足を運んだ。さらに、台米の公衆衛生専門家、インドや南アジア諸国の医療関係者など約250名がオンラインミーティングに参加、活発な交流の実現で、実り多いワークショップとなった。