「台湾におけるマラリア根絶の父」と仰がれた連日清教授は、2月16日に94歳でこの世を去った。蔡英文総統は1日、頼清徳副総統を伴って告別式に参列した。蔡英文総統は、連日清教授の台湾における公衆衛生や医療外交への多大なる貢献を表彰し、「褒揚令(=国家に多大な貢献をもたらした国民へ贈られる公文書)」を授与した。
総統府が1日に発表したニュースリリースによると、蔡英文総統は、連日清教授の告別式で、まず褒揚令を授与、連教授の三男(第4子)の連啟宏さんが代わって受け取った。続いて、霊前に花を捧げ、3回深くお辞儀をする「三鞠躬礼」を行い、遺族へお悔やみの言葉を伝えた。
連教授の告別式にはそのほか、陳建仁前副総統、総統府の李大維秘書長と張博雅資政(上級顧問)、行政院農業委員会の陳吉仲主任委員(農水相に相当)、外交部(日本の外務省に相当)の曽厚仁政務次長(副大臣)、考試院の陳錦生委員、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)疾病管制署(台湾CDC)の周志浩署長も参列した。
外交部の資料によると、連教授は国際的に著名なマラリア研究者で、連教授が率いる研究チームの努力によって、台湾は1965年11月、世界保健機関(WHO)より世界で初めて「マラリア排除地域」の認定を受けた。連教授の功績は、台湾における国民の健康、社会及び経済全体の発展に対しても有益で多大な影響を与えた。
連教授はまた、80歳にして、当時国交のあったサントメ・プリンシペ民主共和国(アフリカ)に渡り、マラリア根絶計画の責任者に就任した。劣悪な環境にあった同国において連教授は、日々マラリア根絶計画に全力で取り組み、マラリア発生率は2003年の50%から、2012年には4%にまで激減、2015年にはさらに1.01%まで下がった。同国の国民をマラリアの脅威から救い、国民は今でも感謝の気持ちを忘れていない。