財政部(日本の財務省に相当)統計処が17日、今年1月と2月のパイナップル、シャカトウ(釈迦頭、バンレイシとも)、レンブ(蓮霧)の輸出金額は中国の輸入一時停止の影響を受けていずれも前年同期を4割以上下回ったが、パイナップルは日本と香港の市場開拓に成功、パイナップルの輸出のうち両市場が占める割合はそれぞれ63.2%、22.1%に増えたと明らかにした。財政部がこのほど発表した統計通報によれば、台湾は「フルーツ王国」と称えられ、四季を通じて様々な果物を食べられるが、輸出には生産コストや品質管理、新鮮なままでの保存や輸送が難しいなどの問題が影響している。このため2020年の果物の主な輸出品目ではシャカトウとパイナップルを除いて、生産量全体に輸出が占める割合は1割に満たなかった。
金額ベースで輸出を見た場合、2021年に1,000万米ドル以上輸出した果物はシャカトウ、パイナップル、マンゴー、ブンタン(文旦、柚子)で、そのうちシャカトウは5,000万米ドル、ブンタンは1,000万米ドルといずれも過去最高を記録した。前年比ではそれぞれ16%増、42.6%増だった。
パイナップル、シャカトウ、レンブは今年1月と2月、中国による一時輸入停止の影響が続き、輸出金額は前年比でそれぞれ40.6%、85.9%、92%のマイナスとなった。さらに1月と2月は多くの果物がまだ最盛期ではなく、全体的に果物の輸出は低迷した。一方、台湾が輸入する果物は温帯のものが多く、特に多いのはリンゴ、キウイ、サクランボ。今年1月と2月のキウイの輸入金額は前年比で89.6%増えた。
果物の輸出先を見た場合、昨年のシャカトウ、レンブ、ブンタンの輸出は主に中国大陸向けで、それぞれの輸出全体の7割から9割を占めた。パイナップルは中国側が輸入を禁止したため日本や香港の市場を開拓。日本向けはパイナップルの輸出全体の63.2%、香港向けが22.1%となった。中国向けは2020年の90%から12.9%へと急減した。
2021年におけるマンゴーの輸出先は比較的分散しており、香港、日本、韓国がそれぞれ2割から3割を占めた。グアバはカナダ(6割)、ポンカンはシンガポール(5割)、バナナは日本(99.7%)が中心。一方、輸入された果物のうちリンゴは主に日本、米国、ニュージーランドから。キウイは9割以上がニュージーランドから。そしてサクランボとブドウはいずれも半数近くを米国から輸入した。