蔡英文総統が18日、ポーランド台北弁事処のCyryl Kozaczewski処長と初めて面会した。面会には呉釗燮外交部長(外務大臣)が同席した。ポーランド台北弁事処はポーランドの台湾における大使館に相当。大使に相当するCyryl Kozaczewski処長はこのほど着任した。蔡総統はまず、ポーランドが直面するウクライナ難民200万人以上の受け入れ問題に関心を寄せると同時に、ポーランドが人道の精神を発揮していることに敬意を表した。
Cyryl Kozaczewski処長は、ロシアのウクライナ侵攻によってウクライナでは300万人以上が居場所を失って退避する事態となり、そのうち多くがポーランドに避難しているが、ポーランド全国の家庭が幅広く難民を受けれているため国境に難民キャンプのようなものは無いと説明した。Cyryl Kozaczewski処長はまた、ポーランドによる難民受け入れが始まると台湾がただちにポーランド内のウクライナ難民のため27トンに及ぶ医療物資や義援金1,000万米ドルを送ってくれたことに対し、ポーランド政府を代表して感謝すると述べた。Cyryl Kozaczewski処長は、台湾がこうした支援を行う際の極めて高い効率を目の当たりにしたとして、人道支援に乗り出している35カ国の中でも台湾の動きは傑出していると称賛した。
蔡総統は難民を受け入れるポーランドの人々の正義の行動を重ねて称えると共に、台湾では政府がウクライナ難民のための義援金受付口座を開設したところ国民から熱烈な反応があり、わずかな間に6億6,000万台湾元(約27億3,000万日本円)を超える寄付金が集まり今も増加中であるなど、「人飢己飢、人溺己溺」(人が飢えていることを自分が飢えていることととらえる。人が溺れていることを自分が溺れていることととらえる)、ならびに「Taiwan can Help」(台湾がお手伝い出来ます)の助け合い精神を発揮していると説明、「我が国は世界と歩調を合わせ、ウクライナ難民が今回の苦境から逃れられるよう協力していく」と強調した。
Cyryl Kozaczewski処長は、ポーランド台北弁事処が毎年の独立記念日(11月11日)にショパンピアノ演奏会を開き、音楽で台湾とポーランド両国の文化と人々を結び付けようとしていること、ならびに来年の台北国際ブックフェスティバルのテーマ国がポーランドで、台湾と共にポーランド文学を探求する機会が広がることを説明。さらにポーランドは台湾との経済・貿易・投資の面での交流強化を望んでいるとして、半導体、旅客機の直行便、文化交流、人材育成など各分野での連携強化を期待した。
蔡総統は、ポーランドは人材と文物が豊かな上、研究開発力も備えていると評価し、二国間でのハイテク分野における連携、及び教育や観光の往来を通して両国民の相互理解が進むことを歓迎した。蔡総統は特に、中東欧諸国との連携や結びつきの強化はまさに現在の台湾にとって欧州との関係発展のための重点であると指摘、両国の政府が互いの長期的な共通の利益を促進するため連携を強化していくことを歓迎すると述べた。