2024/11/24

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輸送での鮮度の問題を克服、高雄市の冷凍パインチャンクが日本に初出荷

2022/05/10
高雄市産「金鑽パイナップル」のカットフルーツを冷凍した「冷凍パイナップルチャンク」が開発され、9日には日本に向けて20トンが船便で初出荷された。(高雄市サイトより)
台湾南部・高雄市産の「金鑽パイナップル」(中国語では「金鑽鳳梨」)が鮮度を保つ輸送の難しさと検疫の問題を克服。業者が協力し、「急速低温冷凍」技術を用いてパイナップルのカットフルーツを冷凍した「冷凍パイナップルチャンク」(中国語では「冷凍截切鳳梨」)を開発した。9日には行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)国際処の林志鴻副処長、同委員会農糧署の陳啓栄主任秘書(主任秘書は署長、副署長に次ぐナンバースリー)、高雄市農業局の張清栄局長らが見守る中、「冷凍パイナップルチャンク」20トンが日本に向けて船便で初めて出荷された。5月中旬から下旬にかけて日本の横浜に到着し、現地のスーパーマーケットチェーンで販売される。台湾産パイナップルの対日輸出に新たなページを開くものと期待されている。
 
夏の到来に伴い、暑気払いに有効な果物のパイナップルが最盛期に入っている。しかし新型コロナウイルスが世界の海と空の便を大混乱させ、果物の輸出にかかる時間にも影響。それによって生まれる鮮度の問題や検疫の問題を克服するため、高雄市の業者はこのほど旺来果菜生産合作社の栽培する高品質なパイナップルを厳選し、急速冷凍技術で冷凍のカットフルーツ「冷凍パイナップルチャンク」を開発、食べやすくしたほか、新鮮なパイナップルのおいしさもそのまま閉じ込めた。保存期間は2年間に及び、日本の消費者に四季を通しておいしい高雄市産パイナップルを味わってもらえるという。
 
「冷凍パイナップルチャンク」を開発した慶徳農果業有限公司によれば同商品の製造は容易ではない。パイナップルの最高の風味を保つため、新鮮なパイナップル80トンから冷凍パイナップルはわずか20トンしか作ることが出来ない。加えて酵素を多く含むパイナップルは生産過程において生菌数を厳しく管理し、食品安全基準をクリアする必要がある。藍天通運股份有限公司の提供する適切なコールドチェーンがあってこそ、時間や空間の制限を受けず、海外の消費者に高雄市産パイナップルの新鮮なおいしさを届けられるのだという。
 
高雄市農業局の張清栄局長によれば、同市におけるパイナップルの作付面積は1,000ヘクタールあまりで最大が大樹区、それに大寮区、内門区、鳥松区と続く。収穫の最盛期は4月から6月。高雄市農業局では2012年より毎年生産者団体を率いて日本の東京で行われる食品見本市「FOODEX JAPAN」に出展、日本の市場開拓に努めて台湾の高品質な果物を世界に送り出そうとしている。農業局ではそのほかにも、生産者団体のコールドチェーンや加工設備の整備に協力、高雄市産果物の輸出の品質を全方位的に引き上げる取り組みを行っている。張局長は、生産者団体や貿易業者など各方が努力した結果、高雄市産パイナップルの日本向け輸出は今年2月からこれまでに3,000トンを達成したと指摘すると共に、農業局はこれからも努力を続け、積極的に海外の市場を開拓し、高雄市特産の農産物を全世界に販売していくと強調した。
 
パイナップルは天然の食物繊維のほか、有機酸、ビタミンB1、ビタミンCなどの栄養素を多く含む。高雄市は気候が良く、生産されるパイナップルは高品質で糖度が高いという。
 
 

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