増加する澎湖諸島行きの観光客のニーズに対応するため、台湾港務公司が2年前から建設を進めていたフェリーターミナル「布袋港旅客服務中心(Budai Port Passenger Terminal)」(台湾中南部・嘉義県布袋鎮)が16日、ついにグランドオープンした。新型コロナウイルスの影響を考慮しなければ、今後年間延べ50万人の利用が見込まれる。
フェリーで澎湖諸島へ向かう旅客へのサービス向上を目指し、台湾港務公司は2.38億台湾元(約10.33億日本円)を投じて、嘉義県布袋鎮で新たなフェリーターミナルの建築を進めていた。フェリーターミナルは2年の工期を終え、今年3月から試験的に運用を開始していた。16日に行われたオープニングセレモニーには、交通部(日本の国土交通省に類似)の祁文中常務次長(事務次官)、嘉義県の翁章梁県長(=県知事)、地元選出の蔡易餘立法委員(=国会議員)などが出席した。
台湾港務公司高雄港務分公司の王錦栄総経理によると、布袋港のフェリー利用者は2019年、直近5年間の最高となる延べ59万人に達した。しかし、2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響を受けて利用者が減少。しかし、長期的に見れば今後も成長が続き、年間の利用者は延べ50万人を超えると予想される。
新たなフェリーターミナルの面積は5,050平方メートルで、2,000人収容可能。内部には発券カウンター、通関施設、待合室、キッズスペース、トイレ、ATM、自動消毒ゲート、商業空間、それにアートエリアも併設されている。将来的には澎湖の免税店で購入した商品を受け取れる免税商品受取所も開設する予定だ。
布袋港は、台湾本島と澎湖諸島を結ぶ最短ルートにある港湾。フェリーの運航シーズンは毎年3月下旬から10月中旬までで、主に観光客や澎湖出身者が利用している。