行政院(内閣)が15日、国連の「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(女子差別撤廃条約、CEDAW)に合わせた中華民国(台湾)の国家報告を発表した。4回目の発表となった同国家報告では、過去4年間に台湾におけるジェンダー平等の成績が「アジアトップ」を三つ獲得したことのほか、差別禁止など11項目にわたる成果を挙げていることが記されている。同報告の内容は今年11月28日から12月2日まで、海外の専門家らの審査を受ける予定だという。
行政院性別平等処は15日、CEDAW第4次国家報告発表記者会見を行った。同処の説明によると、同国家報告は過去4年間に実現した関連の成果を1年間かけてまとめたもの。報告を完成させるまでには民間団体や専門家、学者の意見も集めた。
同報告で示された11項目の成果とは、差別の禁止、女性の権利を促進するための政府のメカニズム、ジェンダーの定型的イメージと偏見の除去、女性の意思決定参加の促進、性的搾取と人身売買の禁止、教育権、労働権、健康の権利など。
またジェンダー平等の点で同報告は、過去4年の間に台湾は三つの「アジアトップ」を獲得したと指摘した。具体的には、台湾が2019年のジェンダー不平等指数(GII)でジェンダー平等の程度がアジアトップだったこと、2019年に同性カップルの婚姻を合法化したこと、2020年に立法委員(国会議員)に女性が占める割合が40%を突破したこと。
同報告ではさらにその他の成果として、公共の幼稚園サービスの量的拡大、育児休業する場合の補助金を標準報酬月額の8割へと引き上げたこと、男女の最低結婚年齢を18歳にそろえたこと、民法における離婚に伴う慰謝料の改正案をまとめたことも挙げている。
また、ジェンダー平等意識に関する電話アンケートの結果から、台湾の人々の全体的なジェンダー平等意識は2018年の73.5ポイントから2020年には75.6ポイントへと改善されたことも指摘された。例えば、同性カップルに合法的な婚姻の権利が与えられるべきだと考える人の割合は2018年の37.4%から2020年には52.5%へと15.1ポイント増えている。
報告では、政府は2022年から2025年にかけて「ジェンダー平等政策綱領」の核心となる政策の、官民での意思決定参加に関するジェンダー平等、女性の経済力向上、ジェンダーの定型的イメージならびに偏見と差別の除去、デジタル社会及びネットでのジェンダーに基づく暴力の防止、健康とケアサービスに関するジェンダー平等の促進、ジェンダーの視点を持つ環境空間の整備と科学技術のイノベーションの6つの重要な課題に挑むとしている。