2024/04/29

Taiwan Today

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頼副総統、「台湾の親友」安倍晋三氏の追悼コンサートに出席

2022/08/22
日本の安倍晋三元首相を追悼する民間主催のコンサートが20日に台北市内で行われた。出席した頼清徳副総統は安倍氏の台湾に友好的な姿勢を振り返りその死を惜しんだ。写真はあいさつする頼副総統(左)。(総統府サイトより)
台湾好徳公益文化協会と聯邦商業銀行(UNION BANK OF TAIWAN)による日本の安倍晋三元首相を追悼するコンサート「台湾摯友・日本前首相安倍晋三慈善追思音楽会」(台湾の親友・日本の安倍晋三元首相追悼音楽会)が20日に台湾北部・台北市内で行われた。民間全民テレビ(民視 FTV)による台湾チャンネル(CH152)、MOD(マルチメディア・オン・デマンド)、インターネット放送の「四季線上」で中継された。日本の全盲のシンガーソングライター大山桂司さんら日本と台湾の歌手が複数参加し、順番に歌を捧げた。
 
コンサートには頼清徳副総統が出席した。頼副総統はあいさつの中で、「安倍元首相に対する思い出と感謝がその死去によって変わるものではない。また安倍元首相のインド太平洋地域の安全保障戦略におけるイニシアチブがとん挫することはなく、かえってより強い力となって同地域の平和を安定させる作用を発揮するものと信じる」と述べた。
 
安倍元首相の台湾に対する友好的な姿勢について頼副総統は、2016年の台湾南部地震(中国語では「高雄美濃地震」、「台南地震」とも)で安倍元首相が地震発生翌日に政府関係者5人を被災地に送り込み、台湾が必要とする援助を実地で把握させたことを指摘。その目的は日本側の支援が台湾での災害救助や被災者救済を妨げることを望まなかったからであり、安倍元首相はそれほど「細心」だった(配慮が細やかだった)と説明した。また2018年の花蓮地震では、台湾への援助のほか、自ら「台湾加油」(台湾がんばれ)と色紙に揮毫、動画を撮影して台湾を激励したことに触れ、安倍首相はそれほど「真心」だった(本心から激励してくれた)と語った。さらに台湾の農家が中国による圧迫を受けていると、安倍元首相は自ら台湾のパイナップルを食べてみせ、台湾の農産物の販売を助けるなど「熱心」だった(親切だった)ほか、台湾がコロナ禍の中でワクチン不足に陥ると日本政府の台湾に対する400万回分を超えるワクチンの無償供与実現のため奔走してくれたと説明、安倍氏は台湾に対してそれほど「愛心」を持っていた(思いやる気持ちを持っていた)と感謝した。
 
頼副総統はさらに、中国が国際間で台湾を圧迫し、「文攻武嚇」(言論による攻撃と武力による威圧)を行う中、安倍元首相は先頭に立って台湾のWHO(世界保健機関)入りを強く支持、国際社会で台湾のため声を上げたほか、「台湾有事は日本有事」と明言、さらには米国に対して台湾へのあいまい戦略を見直して戦略をはっきりさせるよう呼びかけるなど、それほど「用心」だった(心を砕いてくれた)と説明した。頼副総統は、これら今でもはっきりと目に出来る数々の行いは安倍氏がすでにこの世にいないことを想像出来なくすると嘆いた。頼副総統は、「安倍氏が不幸にも世を去ったことは安倍氏の家族にとっての不幸であるばかりでなく、日本の不幸だ。台湾も家族のような友人を失った。そしてさらには世界の損失だ」と述べた。
 
安倍氏の実弟で首相補佐官の岸信夫氏はビデオメッセージを寄せて台湾の人々にあいさつし、安倍氏が生前常に台湾を気にかけていたこと、そして地域の安全保障に対する日台関係の重要性を理解し、双方の関係のさらなる強化に期待していたことを明かした。岸氏はまた、頼副総統が日本で行われた安倍氏の葬儀に参列したことに改めて感謝。そして、安倍氏は故・李登輝氏と特別な縁があるとし、「すでに二人はこの世にいないが、日本と台湾の関係は永遠のものだ。これからも共に努力し、日台関係をより強固にしなければならない」と語った。
 
 

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