中華民国（台湾）外交部の兪大㵢常務次長（事務次官）は23日、呉釗燮部長（外相）の代理として、台湾を訪問中のチェコ上院「文教・人権・請願委員会」の委員長を兼ねるイジー・ドラホシュ（Jiří Drahoš）議員、教育・青年・体育省のRadka Wildová副大臣、科学・研究・イノベーション省のJana Havlikova副大臣などの来賓と共に、半導体技術、教育、文化、大学、博物館分野の6つのMOU（覚書）及び協定の調印式に立ち会った。これにより台湾とチェコはさらに幅広く、緊密な協力関係を築くことになる。
兪常務次長は冒頭の挨拶で、中国が台湾侵攻を想定した大規模な軍事演習を海と空で展開し、「文攻武嚇」（言論による攻撃と武力による威圧）を繰り返す中、ドラホシュ議員が率いる訪問団が台湾を訪問し、台湾支持の強い姿勢を見せてくれたことに感謝した。そして、台湾とチェコの一致した努力により、多岐にわたるMOUや協定の締結が実現したことを歓迎し、これは緊密な友好関係をさらに強めようとする双方の決意の表れだと述べた。兪次長はまた、科学技術、教育、文化などの分野での協力・交流の拡大を通して、価値の同盟、民主諸国によるサプライチェーンのレジリエンス（強靭性）をより強化することは、自分たちが大切にしている民主体制と自由な生活方式を守ることにつながると述べた。
これに対してドラホシュ議員は、「台湾に到着したときから、ずっと家にいるようなぬくもりを感じている」とした上で、台湾とより緊密なウィンウィンの協力関係を築くため、今回の訪問団には特別に、チェコの科学技術、教育、文化、医療、感染症対策、サイバーセキュリティなど各分野の政府関係者や専門家に加わってもらったと説明した。ドラホシュ議員はまた、今回の台湾訪問で蔡英文総統、行政院の蘇貞昌院長（首相）、立法院の游錫堃（国会議長）、外交部の呉釗燮部長、それに関連の機関の関係者らと会って幅広い意見交換ができたことは光栄なことだとした上で、これは必ず台湾とチェコの関係深化に貢献するだろうと胸を張った。
ドラホシュ議員が率いる一行14人は、18日から23日まで台湾に滞在した。一行は台湾の政治・経済の現状について理解を深めたほか、台湾側と6つのMOU及び協定を締結した。これらは台湾とチェコの経済発展や民主主義のレジリエンス（強靭性）をより強固なものとし、双方が科学技術、教育、文化などの分野で協力を深めるのに役立つと期待されている。