台湾と日本は近年、「まさかの時の友は真の友」の関係にあり、震災による被災者支援や新型コロナウイルスの感染拡大による防疫面でのニーズのいずれにおいても迅速に助け合うなど深い友情を発揮している。蔡英文総統も、「一緒に努力して世界の新たな情勢に共同で対応し、台湾と日本の友好関係に新たな局面を切り開こう」と呼びかけている。
こうした中で双方の法務機関がさらに連携、16日には日本台湾交流協会東京本部で、台湾の対日本窓口機関・台湾日本関係協会の蘇嘉全会長と日本の対台湾窓口機関・公益財団法人日本台湾交流協会の大橋光夫会長が、自由・民主・法の支配、及び基本的人権の尊重などの共通の価値に基づき、法務司法分野における協力関係を強化・促進し、互いに信頼出来るパートナーとなれるよう共に努力していくと宣言した。
この日、双方の会長はそれぞれ台湾と日本を代表して、「台湾日本関係協会と公益財団法人日本台湾交流協会との間の法務司法分野における交流と協力に関する覚書」(略称「台日法務司法分野における交流と協力に関する覚書」)に署名、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表らが署名に立ち会った。署名のセレモニーは簡潔ながら厳かに行われ、双方の関係の一層の深まりと台日司法外交の新たな局面のスタートを象徴するものとなった。
同覚書の締結は各方面での協力と努力を経て実現した。まず法務部(日本の法務省に相当)の蔡清祥部長(=大臣)が2020年に同部の国際及び台湾海峡両岸法律司(局)に計画を指示したことが始まり。その後、法務部調査局国際事務処と台北駐日経済文化代表処が中間での調整役を担い、外交部(日本の外務省に相当)、日本の外務省、日本の法務省、台日関係協会、日台交流協会などと3年がかりで取り組み、今回ついに法務司法分野での協力で合意、世界の人権保障に向けて大きな一歩を踏み出した。
法務部では、覚書締結後、双方の法務機関は法規制度の情報交換、専門知識と意見、すでに公開されている資料と刊行物、会議の開催、研究訪問などを通して法務司法分野での連携を深め、双方の人々の権益を守り、公正な法の支配の価値を実現するため共に力を尽くして台日友好の固い友情を具体的に示していくとしている。