2024/12/29

Taiwan Today

政治

皇太子裕仁親王の台湾行啓から100年、国家撮影文化センターがオンラインで写真公開

2023/03/21
皇太子裕仁親王が1923年4月25日、台湾総督官邸(現在の台北賓館)において詩意閣(藝閣とも呼ばれる。日本の山車のようなもので台湾のお祭りには欠かせない)を鑑賞されたときの貴重な写真。(文化部)

のちに昭和天皇となる摂政宮皇太子裕仁親王が台湾を訪問されたのは今から100年前のこと。台湾の写真・映像に関する博物館、国家撮影文化センターはこれを記念して、当時の写真を集めたオンライン展覧会「1923年の摂政宮皇太子裕仁親王による『台湾行啓』影像展」を開催している。

皇太子裕仁親王が台湾に到着されたのはいまからちょうど100年前、1923年4月16日のことだった。当時、日本統治下だった台湾の北から南へ、海を渡って離島の澎湖へ、そして政治経済の中心地である台北に戻るという12 日間の旅程は「台湾行啓」と呼ばれ、100年前の台湾において前代未聞の一大イベントだった。皇室関係者が天皇陛下の代理として日本統治下にあった台湾を視察するのは初めてのことだったからだ。

台湾統治の功績をアピールするため、日本政府は裕仁親王が行く先々にカメラマンを同行させた。こうして撮影され、詳細に残された記録からは、当時の台湾における政治、経済、社会、教育、文化などの建設の成果をうかがうことができる。

台湾行啓の写真は、様々な印刷物になって流通し、多くのバージョンの写真集が残された。 そのうち国家撮影文化センターが所蔵する「行啓紀念写真帖」は、台湾統治の政治経済に関する研究資料でもあり、裕仁親王の台湾訪問を記録した歴史的にも重要な映像資料となっている。

国家撮影文化センターによると、このオンライン展覧会を企画したのは台湾の最高学術研究機関、中央研究院台湾史研究所の鍾淑敏副所長。「行啓紀念写真帖」の写真を「政治と軍事」、「経済社会」、「台湾の特殊な人文」、「教育」、「文化思想」の5つのジャンルに分け、異なる視点から「行啓」の様子を表現し、100年前の台湾における一大政治ショーの様子をつまびらかにしている。

「行啓紀念写真帖」は裕仁親王が台湾各地を訪問された記録を集結したものだ。正式な式典のほか、台湾における重要な産業であった樟脳や砂糖の製造過程を視察された様子も見られる。また、ドラゴンボートや各地の芸術を鑑賞するなど文化的な体験をされる様子も写し出されている。これらの写真からは、裕仁親王が行く先々で多くの人に迎えられ、裕仁親王を一目見るために人々が先を争って駆けつけていたことが分かる。

このオンライン展覧会は下記のウェブサイトで見ることができる。
https://bit.ly/3JLXE4O 

ランキング

新着