2024/05/20

Taiwan Today

文化・社会

4月20日は「ジェンダー平等教育の日」、教育部が台湾のジェンダー平等教育の取り組みを振り返る

2023/04/21
教育部(日本の文部科学省に類似)は20日、国家図書館で「ジェンダー平等教育の日」に関する記念イベントを開催した。教育部は昨年、4月20日を「ジェンダー平等教育の日」と設定した。(教育部)
教育部(日本の文部科学省に類似)は20日、国家図書館で「ジェンダー平等教育の日」に関する記念イベントを開催した。教育部は最近の海外の調査結果を引用し、台湾の学生のジェンダー平等に対する支持の度合いは世界平均を上回ると指摘。今年8月以降はさらに、各学校のトイレに誰でも使える生理用品を置く取り組みを開始し、「生理の貧困」問題の解消を目指すことを明らかにした。
 
教育部は昨年8月に、4月20日を「ジェンダー平等教育の日」と設定したばかり。今年の4月20日は、それから最初に迎える「ジェンダー平等教育の日」だった。教育部は国家図書館で開いたイベントの冒頭で、このために制作したプロモーションビデオを上映。その中で、市民性教育国際調査(ICCS)の最近の調査で、台湾の学生のジェンダー平等に対する支持の度合いが世界平均を上回り、調査対象となった20か国・地域以上の中ではデンマークと並ぶ2位であったことが指摘された。
 
教育部の潘文忠部長はまた、教育機関内でのジェンダー平等を実践するため、今年8月以降、台湾全土の教育機関のトイレに生理用品を置く取り組みを開始することを明らかにした。貧困のため生理用品を購入できない学生を支援するのが目的だが、生理用品が実際に教育の現場に入ってくるということを通して、より多くの学生や教職員らが月経についてより率直に話し合えるようにしたいという狙いもある。
 
教育部が4月20日を「ジェンダー平等教育の日」と設定したのは、23年前に亡くなった葉永鋕さん(当時15歳)が関係している。2000年、当時中学生だった葉永鋕さんは「女々しい」という理由でいじめを受けていた。葉永鋕さんは4月20日、トイレで倒れているのを発見され、病院へ運ばれたが亡くなった。この事件がきっかけとなり、台湾社会ではジェンダー教育のあり方が議論されるようになり、ついにはジェンダー平等教育を法制化した「性別平等教育法」(当初の名称は「両性平等教育法」)が誕生した。教育部はその後、葉永鋕さんの物語をもとにドキュメンタリー動画『玫瑰少年(=バラの少年)』を制作。現在でも小中学校でジェンダー平等教育の教材として使用している。
 
潘文忠部長は、今月18日、倒れていた葉永鋕さんが発見された中学校のトイレを訪れたことを明らかにした。現在、屏東県にあるこの高樹国中(=中学)のトイレは改築され、男子トイレには葉永鋕さんの象徴である「バラ」のマークが、女子トイレには学校の所在地(屏東県大樹郷大樹村)の地名の象徴である「大樹」のマークが掲げられ、23年前に発生した悲劇を教訓に変えようとしていると述べた。
 
潘文忠部長は、「どの子どももそれぞれ違う特質を持っており、差別やいじめを受けるべきではない。ジェンダー平等教育とは、子どもたちがそれぞれの違いを尊重し、誰もが自分のあるべき姿に誇りと自身を持てるようにすることだ」と説明した。
 

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