蔡英文総統は4日午後、日本の山東昭子前参院議長(自民党)が率いる超党派の国会議員団と総統府で会談した。メンバーは山東前参院議長のほか、舟山康江参院議員、島尻安伊子衆院議員、今井絵理子参院議員の女性議員計4名。
蔡総統は、山東前議長が超党派の親台湾派議員連盟である「日華議員懇談会」の顧問であり、長きにわたって台湾を支持していることに感謝した。蔡総統はまた、山東氏が参院議長だった2021年、参議院本会議で台湾のWHO(世界保健機関)総会参加実現を各国に求めていくとする決議が全会一致で可決されたことに触れ、「台湾のすべての国民を代表して、心から感謝する」と述べた。
蔡総統はさらに、山東氏が参院議員では日本最多の当選回数を誇ること、日本で2番目の女性の参院議長であったことに言及し、その山東氏が超党派の女性国会議員を率いて台湾を訪れる意義は格別に大きいと称賛した。
蔡総統は会談の中で、台湾と日本は地域の安全保障協力において互いに重要なパートナーであるとし、日本政府がさまざまな場において、台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を繰り返していることに感謝した。蔡総統はまた、台湾で来年から兵役義務が1年間に戻されることを挙げ、これにより防衛能力の引き上げを図ると説明した上で、日本などの民主主義のパートナーと引き続き連携を強め、インド太平洋地域の平和と安定の維持に努めていきたいとする姿勢を示した。
これに対して山東前参院議長は、台湾初の女性総統として多くの苦労があったと察するが、蔡総統は民意に耳を傾け、さまざまな困難を克服することができ、まさに女性政治家としての手本であると称えた。また、台湾は厳しい国際環境にありながらも、積極外交によって世界中の自由と民主主義を貫く国から共感を得ていると伝えた。
山東前参院議長は、台湾と日本はこれまでの長い歴史の中でしばしば助け合い、精神面であれ経済面であれ、互いに協力し、相手に手を差し伸べてきたとし、これこそ本当の友情であり、台湾と日本は引き離すことのできない友人関係にあると述べた。また、その一方で、ロシアや北朝鮮などの独裁政治を強く非難した。
山東前参院議長は最後に、日本は世界平和の原点に立ち戻り、アジア地域の平和を維持することに努めなければならないとした上で、台湾が関連の国際組織に参加し、堂々と力を発揮し、世界に貢献できるよう支援していくことを約束した。