2023年総統杯ハッカソン国際部門(=国際トラック)の優勝チーム2組が決定。主催の数位発展部(=デジタル発展省)が6日に明らかにした。総統杯ハッカソンは政府が提供するオープンデータを活用し、公共サービスの質を改善するための解決策を提案してその内容を競うイベント。国内部門と国際部門がある。今年の国際部門には過去最多となる34カ国60件の作品が集まり、最終的にインドと台湾の合同チーム「HysonTech」の提案した「スマート養殖システム」と、タイのチーム「Refill City」が提案した、プラスチック製ボトルの繰り返し利用を促進するアプリが優秀作品に選ばれた。両チームは24日に開かれる授賞式に出席し、蔡英文総統が自ら表彰することになっている。
「HysonTech」の提案は「Digital Transformation for Sustainable Aquaculture Production」(持続可能な水産物養殖のためのデジタルトランスフォーメーション)。IoT(モノのインターネット)とAI(人工知能)を用いたスマート養殖システムで、作業時間の短縮と生産量の増加、養殖環境のリモート管理、取引リスクの低減が期待される。持続可能な海洋資源の開発という理念を実践するという。
一方「Refill City」は、「Refill City: Empowering Sustainable Water Consumption for a Greener Future」(詰め替えの町:よりグリーンな未来のための持続可能な水消費の強化)と題して提案。企業と小売店とが協力し、広告や税制の優遇、無償で清潔な飲用水を通して人々にプラスチック製ボトルの繰り返し利用を促して持続可能な環境整備に貢献しようというもの。「Refill City」はそのための生き生きとしたアプリを開発した。
総統杯ハッカソン国際部門は2019年にスタートしており今年は5回目。今年のテーマは「Free the Future: Open, Digital & Green」で、民主主義、デジタル、ネット・ゼロ(脱炭素)を主軸として取り上げ、国際的にも関心を集めた。2カ月に及ぶ専門的な指導と交流を経て、最終的に各国の審査員が共同で各提案を審査した結果、2つのチームを優勝チームに選出した。
デジタル発展省は、今後も総統杯ハッカソン国際部門の開催を通じて、デジタル方式による国内のコミュニティと全世界の人々との分野を跨いだ協力を促進していく考え。コンテストを開催することで背景の異なる人々の交流、対話が実現し、彼らが知恵と情熱を結集することでよりイノベイティブかつ社会的に影響力を持つ作品が生まれると期待している。また、台湾と世界のコミュニティの継続的な交流にもつながるという。授賞式は24日午後2時から総統府で行われる。動画投稿サイトYouTubeにおける総統杯ハッカソンとデジタル発展省の公式サイトでライブ配信される予定。