外交部は18日、2023年「農業青年大使『新南向』交流計画」の団旗授与式を外交部本庁舎内で開催した。式典は外交部の田中光政務次長(=副大臣)と農業部の陳添寿政務次長が共同で主催し、マニラ経済文化弁事処のAlice Q. Visperas副代表や駐台北インドネシア経済貿易代表処のSri Hartanti主任、行政院経貿談判弁公室談判代表の張煜霖氏らが出席した。今年は「農業青年大使」として24名を選出。一行は2つのグループに分かれ、そのうち1つは10月末にインドネシアへ、もう1つのグループは11月中旬にフィリピンへ向けて出発する。
挨拶に立った田次長は、台湾とインドネシア、フィリピン両国との農業交流は非常に緊密だと指摘し、これら2か国との農業プロジェクトで代表的なものとして、インドネシアのカラワンで展開する「総合農業モデルエリア」や、フィリピンのルソン島バギオ市での「マッシュルームモデル農場」などを挙げた。そして、こうしたプロジェクトは、台湾の農業人材が国際社会と接点を持つことを促進し、台湾農業のイノベーティブなエネルギーを生み出すものと信じていると述べた。農業部の陳次長も、24名の「農業青年大使」がそれぞれの得意分野を発揮し、台湾と「新南向政策」対象国が農業による結びつきを強められるよう期待していると述べた。(※「新南向政策」対象国とはASEAN諸国、南アジア、オーストラリア、ニュージーランドの合計18か国を指す)
今年の「農業青年大使」たちはインドネシアあるいはフィリピンを訪問し、農業の発展状況や商機について理解を深める。また、現地の農水産や牧畜業などを訪問したり、現地の産官学関係者と交流を深める。台湾のこれからを担う農業の新世代が「新南向政策」対象国への理解を深め、台湾とインドネシアあるいはフィリピンの農業協力の実質的なレベルアップにつなげるのが狙いだ。
このプロジェクトは2017年に始まった。これまで、農業の背景を持つ台湾の青年90名を、フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレーシア、タイ、インドの6か国に派遣し、農業交流を行ってきた。2020年から2022年までの3年間は新型コロナウイルスの影響を受けて中止していたが、「新南向政策」が目指す人材交流の理念を継続するため、今年から派遣を再開することにした。