2024/05/20

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文化・社会

「生理の平等化」目指すWith Red、世界の教育イノベーションに選出

2023/11/03
ジェンダー平等教育アワードを受賞したWith Redの創設者、林薇さん。林さんは、生理の平等化を目指し、生理とポジティブに向き合えるよう活動を続ける。(With Red提供、中央社)

サステナブル、ポジティブな月経教育を推進する「社団法人全球小紅帽協会(With Red)」は、フィンランドの非営利団体「HundrED.Org」が発表するインスピレーションに溢れる100のプロジェクト「Global Collection 2023」に選ばれた。今年は、世界中から3000以上の応募があり、最終的にTOP100が選定された。さらに、With Redの創設者、林薇さんはジェンダー平等教育アワード(Gender Responsive Award)を受賞し、台湾のNPOがいかに大きな影響力を持つかということを世界にアピールした。

HundrED.Orgは毎年、世界で最も潜在力と影響力を持つ教育プロジェクト100件を選定し、国際教育イノベーションサミットを開催している。With Redは今年、2021年に開始した「50/100月経教育」がGlobal Collection 2023に選ばれた。サミットへの招きを受けた林薇さんは、様々な文化や背景を持つ教育関係者との経験や情報を共有した。

「50/100月経教育」とは、人口の半分(50%)に起こりうる生理現象である月経について、全員(100%)で共に理解を深められるよう働きかける取り組み。With Redは、多様性に富み、共感できるインタラクティブで包括的な月経教育コースを企画している。台湾の110以上の学校や団体で実施、30万人の生徒、保護者、教育者が受講し、100万人以上の人々に影響を与えた。

With Redの創設者、林薇さんはまた、ジェンダー平等教育アワードを受賞した。林さんはあいさつで、「生理の平等化を推進する過程で、私たちは一見愚かに見える決断を数多く行ってきた」と語った。With Redは、家庭環境や経済環境に関わらず、子どもたちが充実した質の高い月経教育を受けられるよう活動している。活動を始めた頃は、閉鎖的な公立学校制度を打ち破り、あらゆる学齢の教育現場における月経教育を推進するため、政策レベルで体系的な改革イニシアチブを実行することから、あらゆる手段を講じてきた。 

With Redは、生理に対する世間の確立されたイメージを覆し、生理について話し合い、前向きに扱うことで、生理に対する偏見や不平等といった社会現象を打破することを目指している。林薇さんは2021年、次世代のリーダーたちを称える英国の「ダイアナ・アワード(Diana Awards)」も受賞した。台湾では、関連の民間組織による主導のもと、教育部が8月から学校や社会教育現場へ、様々な生理用品の提供を開始。低所得家庭へは無償で、緊急に必要な人々へ迅速に提供できるようにした。

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