農業部と外交部は「農業青年大使『新南向』交流計画」を合同で実施しており、4回目となる今年は「農業青年大使」として農林水産を専門とする台湾の若い生産者や学生など24名を選出。そのうち12名は10月末にインドネシアを訪問し、残る12名も11月中旬にフィリピンを訪問した。
フィリピンを訪問した一行は、7日間の滞在期間中、関連の産業、フィリピン農業省、農業政策の立案部門、国会などを訪問したほか、現地の農村や研究機関、若い生産者、農業関連の学部・学科で学ぶ学生、研究者や専門家らと交流し、台湾の経験を共有したり意見を交換するなどした。フィリピン側は、台湾の「農業青年大使」らの専門性や熱意を称賛し、双方が近いうちに全面的且つ多様な協力関係を展開し、農業分野の交流と発展を促進できるよう期待を寄せた。
台湾とフィリピンは気候が似ており、科学技術の力を積極的に借りて台風などの自然災害が農業に与える影響を最小限にとどめているものの、依然として多くの課題が残る。こうした中、フィリピンを訪れた台湾の「農業青年大使」らは、フィリピンの農業の発展にはまだ人々を鼓舞させるような多くのチャンスがあることを発見した。その中の一人、章思偉さんは、「台湾の農地は限られているが、フィリピンには広大な土地と豊富な労働力という強みがある。これが台湾とフィリピンの農業協力を促進する潜在的なチャンスになるだろう」と指摘した。農業大使の一人、李佩娟さんも、若い生産者たちが専門知識と人脈を備え、フィリピンを拠点に活躍する台湾企業などの先達と積極的に交流することを奨励する。こうしたことにより、現地の文化や習慣、市場のチャンスやリスクなどについてより深く理解することができるため、今後の事業の発展において、より多くの協力や支持を得ることができるというのが理由だ。
「農業青年大使」たちは今回のフィリピン訪問で、台湾とフィリピンが農業分野で連携するための「チャンスの架け橋」を築いた。双方は、専門知識や科学研究での協力、農業技術や人材育成などの方面で一歩進んだ交流を展開し、今後の連携に強い意欲を示した。農業部は「今回の訪問が双方の農業協力のきっかっけとなり、台湾とフィリピンの双方がウィン・ウィンの農業発展を促進できたら」と期待を寄せている。