2024/07/01

Taiwan Today

外交

トルコ・シリア地震から約1年、台湾の復興支援に大きな手ごたえ

2024/01/18
2023年2月6日にトルコ南東部を震源として発生した「トルコ・シリア地震」からおよそ1年が経過した。台北駐トルコ代表処の黄志揚代表は16日、台湾の支援によって作られたパソコン教室などを視察し、児童たちの声に耳を傾けた。(台北駐トルコ代表処)
2023年2月6日にトルコ南東部を震源として発生した「トルコ・シリア地震」からおよそ1年が経過した。中華民国(台湾)外交部は、台北駐トルコ代表処(トルコにおける中華民国大使館に相当)を通して、被災地の復興支援として数百台のノートブック型パソコンを現地の教育機関に供与してきた。台北駐トルコ代表処の黄志揚代表は16日、台湾の支援によって作られたパソコン教室などを視察し、児童たちの声に耳を傾けた。
 
黄志揚代表が訪れたのは、昨年2月の震災で大きな被害を受けたトルコ南部の内陸都市カフラマンマラシュ。震災後、仮設パソコン教室やコンテナトラックを利用した移動式教室、それにノートブック型パソコン200台以上を寄付した。現地のSütçü İmam大学にも台湾製のノートブック型パソコン100台を寄付した。
 
こうしたパソコン教室やノートブック型パソコン約200台は昨年9月21日より使用されている。仮設パソコン教室ではすでに408回の授業とイベントが行われ、ここで学んだ学童は5276人に上る。そのうち844人は特殊なニーズを持つ学童だ。Sütçü İmam大学に寄付した台湾製ノートブック型パソコン100台についても、主に同大学の教育学部で学ぶ約2500人の学生と、教師を目指す人材の育成などに活用されている。言い換えれば、トルコでは小学生から大学生まで幅広い年代が台湾の復興計画の恩恵を受けていることになる。
 
黄代表の視察に同行したカフラマンマラシュ仮設住宅区行政長官のEsra Kodaz氏は、現在同氏が管轄する3つの仮設住宅区の住民は2万人を超え、そのうち学童は約4,500人に及ぶが、正規の教育体系は依然資源が乏しく、学童に対する授業時間や使用できるIT設備も多くが不足していると指摘。台湾が被災地の教育復興期の空白を埋め、仮設住宅区に住む学童たちが学びを続けられるようサポートしてくれたことに感謝した。
 
黄代表はこの視察で、被災地の児童たちの声に直接耳を傾けた。多くの児童たちから「今学期からパソコン教室を使いはじめ、成績が大きく伸びた。もっと学習したくなった」という声が寄せられた。黄代表は、「当初は、震災によって教育の機会が制限を受けることになった被災地の環境を科学技術の力で改善したいという考えだったが、それが被災地の子供たちの向上心と知的好奇心を刺激したと知り、この計画の当初の目標を大きく上回る成果を感じた」とコメントした。
 
黄代表はその後、Sütçü İmam大学の学長や二人の副学長、教育学部長などの教職員とともに、台湾の支援で完成したパソコン教室の供用開始を祝うテープカットに参加した。Sütçü İmam大学のAlptekin Yasım学長は、「カフラマンマラシュは震災の多い地域で、昨年の大地震では甚大な被害を受けた。多くの校舎が倒壊し、もともとあったパソコン教室の設備も破損した」と述べ、台湾の支援に感謝した。
 
台湾は、「トルコ・シリア地震」に関する教育分野の復興支援計画として700万米ドルを拠出している。トルコ教育省のほか、内務省やカフラマンマラシュとも協力しながら計画を実施している。同時に、国連児童基金(UNICEF)の教育支援計画にも協力し、甚大な被害を受けた被災地の児童たちへの支援も行っている。従来の教育のメカニズムが完全に復活するまでのつなぎとして、学びを継続させたり、台湾の支援によって提供されたハードやソフトの施設によって、正規教育以外の学習を補助するのが狙いだという。
 

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